ツイッターの買収額は「実際の価値の2倍」、マスクが認める

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イーロン・マスクは、4月17日に放送されたFOXニュースの司会者、タッカー・カールソンとのインタビューで、ツイッターの440億ドル(約5兆9000億円)での買収が「財務上の判断としては不適切だった」と述べ、その時期も「ひどいタイミングだった」と語った。

マスクは、実際のツイッターの価値は、購入価格のわずか半分程度だと述べ、彼が社内のメモでツイッターの価値を約200億ドルと評価していたという報道を裏づけた。

しかし、マスクは買収を後悔しているとは言わず「ツイッターは自由な言論が保証された場所になり得る」という以前からの主張を繰り返した。

一方、マスクのツイッターの財務状況についての発言は、一貫性を欠いている。昨年11月に彼は、投資家会議で同社が「世界で最も価値のある企業になる」と公に発言したが、社内のスタッフには、購読料ベースの収益が大幅に増加しなければ「倒産への道を歩む」と伝え、広告主を失いつつあると述べていた。

彼はまた先週は、大幅な人員削減と広告収入の回復により、ツイッターが「ほぼ損益分岐点」に達しており、来期はキャッシュフローがプラスになるはずだと主張した。しかし、同社はマスクによって非上場化されたため、実際の財務状況を確認することは不可能だ。

マスクは2022年4月に買収のオファーを出してから、10月に取引が成立するまでの間に、何度もそのオファーを撤回しようとした。しかし、買収を強制する裁判に直面した結果、やむなく買収を実行した。

マスクは、ツイッターの「Twitter Blue」の会員を増やすことが、将来の財政的安定に不可欠だと繰り返し述べている。しかし、ニュースメディアMashableは先月、ツイッターの有料会員数は約47万5000人で、1日のアクティブユーザーの0.2%にも満たないと試算した。

マスクがTwitter Blueのセールスポイントとして挙げているのは、ユーザー名の横に青いverified(認証済み)のバッジが得られることだ。マスクは先週、彼がCEOに就任する以前の「レガシーな認証アカウント」から青いバッジを取り除く予定だとツイートしており、古い認証バッジを持つ人々にお金を払わせようとしている。

17日に放送されたインタビューの一部は、16日に予告編として公開されていた。マスクは、その予告編の動画の中で、「米国政府がツイッターのダイレクトメッセージ(DM)を含む、すべての会話にアクセスしていた」と発言しており、そのことでさまざまな憶測を呼んでいた。

しかし、今回放送された番組内の会話で、それ以上の詳しい説明はなく、マスクは「来月までにDMに暗号化のオプションを導入する」と述べただけだった。マスクは自身がツイッターのCEOに就任して以降、繰り返しDMの暗号化のプランについて述べていたが、これまでそれを実行に移してこなかった。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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