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2023.04.19

スタートアップで異例 オフィスデータのestieが長期融資などで16億円調達

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オフィスビルの空室情報や賃料情報などを提供するestie(エスティ)が、4月19日、金融機関から16億円を調達したと発表した。融資したのは商工中金、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、日本政策金融公庫。調達額の多くが長期の借り入れ(返済期日が一年以上先のもの)で、スタートアップ企業では数少ないケースだ。

estieは2018年に創業した。建物の基本情報、空室物件の募集情報、過去の賃料水準、推定賃料といった商業用不動産データが掲載されている「estie pro」を、大手不動産デベロッパーなどに提供している。2022年1月にはシリーズAとして10億円を調達し、事業を伸ばしてきた。

CFOの上田來(うえだ・きたる)氏は今回の調達について次のようにコメントした。

「投資家からは、財務的な分析だけではなく、顧客インタビューや既存投資家への聞き取り調査を通じた定性的な事業精査が行われました。estie proの完成度の高さ、顧客の継続利用の意向、不動産業界からの信頼といった点が、調達に繋がったと考えています。

事業成長による返済能力の拡大に加え、潜在的なエクイティの資金調達能力の高さも審査ポイントとして評価されていると理解しています」

スタートアップ企業の長期借り入れは、事例が出始めている。2022年7月には、営業や総務といった業務の受発注マッチングサイトを運営する「ユニラボ」が、2023年3月には、企業情報のデータベースを手がけるBaseconnectが、それぞれ長期融資を受けた。
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文=露原直人

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