チームワーク、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決力、戦略的思考などを身につけることができると、期待されています。
日本では、学びの場にeスポーツが取り入れられることで、不登校の学生たちが学校に戻ってきています。
世界経済フォーラム(WEF)は、デジタル技術の導入により教育はより進化していく必要性があるとする一方で、学校が実生活での交流や個人的な人との関わりの場であることを守っていく必要もあると指摘しています。本題についてWEFのアジェンダからご紹介します。
学校教育に、eスポーツやエレクトロニック・スポーツと呼ばれる対戦型ビデオゲームの導入が進められています。日本では、初のeスポーツ専門の高校が開校し、教育出版社のピアソンは、英国eスポーツ連盟と共同で、世界初のesスポーツの資格を開発しました。
eスポーツは、本当に教育的なものなのでしょうか?
英国eスポーツ連盟のドム・ドア氏は、ウィッチ・スクール・アドバイザーのウェブサイトに、「eスポーツは、寝室で暗闇の中、一人でポテトチップスを食べながらプレイするものではなく、競争環境の中で、チームを相手にプレイするもの」と、語っています。
「ゲームの中で、伝統的なスポーツや音楽、演劇など、他の学校の課外活動で行われるような、全人格的な人格形成のスキルを身につけることができるのです。チームワーク、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決力、戦略的思考などは、チームの一員としてeスポーツでプレイすることで習得することが可能です」
世界経済フォーラムの「仕事の未来レポート2020」は、上のグラフが示すスキルを、今後数年で求められるようになると雇用主が考える上位スキルであるとしています。
学校教育におけるeスポーツのメリット
日本のeスポーツ高等学院は、伝統的な学校の授業と集中的なビデオゲームのトレーニングをカリキュラムに組み合わせています。ニューヨーク・タイムズ紙は、「この学校は、世界的に需要が高まっているプロゲーマーを育てることを目的に設立された」とし、「教師は、プログラミングやデザインなど、関連する職業に就くことも生徒に勧めている」と、言及しています。この学校の型破りなアプローチは、思わぬ副次的効果ももたらしました。不登校の生徒が学校に戻ってくるのに役立っているのです。普通の学校では刺激が足りないというティーンエイジャーや、いじめが原因で不登校になった人たちも含まれます。
eスポーツ高等学院には、大型モニターとハイスペックなコンピュータが完備されています。ゲーム会社NTTe-Sportsの支援を受けて運営されており、ファーストパーソン・シューティングゲームからリアルタイムストラテジー、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナまで、さまざまなジャンルのゲームを学ぶことができます。
授業開始時間は通常の学校より遅く、制服もありませんが、国の教育基準をクリアしているといいます。「私たちの目標は、対戦型ゲームだけでなく、様々な方法で、将来使えるスキルを生徒に提供することです」と、学校は話します。