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健康

2023.04.17 12:00

中国で鳥インフルによる初の死者、「報告の遅れ」に批判も

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鳥インフルエンザの流行が人間に及ぼすリスクへの懸念が高まる中、世界保健機関(WHO)は4月11日、中国の女性が世界で初めて、このウイルスによって死亡したと発表した。

WHOは、中国の広東省に住む56歳の女性が、鳥インフルエンザの「H3N8型」に感染した後に死亡したと発表した。彼女は2月下旬に発症し、3月上旬に重度の肺炎で入院した後の3月16日に死亡したとされる。

WHOは、複数の基礎疾患を抱えていたこの女性が、生きた家禽(かきん)を販売する市場で感染した可能性が高いが、さらなる調査が必要であることを強調した。H3N8型の鳥インフルエンザのヒトへの感染は、昨年、中国の内陸部などで初めて確認されたが、感染者の死亡が確認されたのは初めてだ。

WHOによると、中国が3月下旬に報告した時点でこの女性の知人の中にウイルスに感染した人や、発症した人は存在せず、ウイルスが人間の間で容易に広がる兆候はなく、さらに広がる可能性も低いという。

動物性インフルエンザの亜種がヒトに感染することは稀だが、ウイルスを保有する動物と密接に接触した際に感染する場合があるWHOは述べている。また、考えられる症状としては、結膜炎や軽いインフルエンザに似た症状から神経障害、重度の呼吸器疾患までさまざまなものがあるという。

鳥インフルエンザは、鳥類に致死的な影響を与えるが、人への感染は稀で、野生または家畜の感染動物との密接な接触を持った場合に限定される。しかし「H5N1型」という別系統のウイルスは、世界中の鳥類に広がり、野鳥を捕食することがある哺乳類の間においても大流行を引き起こす不穏な動きを見せており、科学者は、ヒトに広がることを懸念している。

中国の死亡した女性が感染したH3N8型について、当局はH5N1型よりも人間への脅威が少ないと考えている。しかしWHOは、ウイルスが変異能力を持つことから、依然として注意深く監視する必要があると警告した。H3N8型は、鳥類以外では犬や馬を含む多くの哺乳類でも確認されている。

「今回のH3N8型ウイルスのヒトへの感染は、現時点では米国の公衆衛生にリスクをもたらすとは考えられていない」と米国疾病対策センター(CDC)は声明で述べた。

WHOは、インフルエンザのような動きの速いウイルスに対処する場合は、迅速な調査と監視が重要だと述べている。しかし、今回の中国当局のWHOへの報告は、感染を把握してから1カ月を要しており、国際法で定められた動物性インフルエンザウイルスのヒトへの感染報告の期限である24時間を大幅に超えている。

この報告の遅れは、中国が新型コロナウイルスの起源に関する重要なデータを隠していたという批判を、さらに強めるものと言えそうだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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