経済

2023.04.17 11:00

銀行危機の中、JPモルガンは予想上回る預金残高2.4兆ドルに

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JPモルガンは、4月14日朝に発表した四半期決算で、アナリスト予想を上回る業績を報告し、米国最大の銀行が金融業界の激動を乗り切ったことを見せつけた。
 
JPモルガンの2023年1−3月期(第1四半期)の営業収益は、過去最高の383億ドルに達し、FactSetのアナリスト予想の361億ドルを上回った。純利益は126億ドルと1株当たり4.10ドルに達し、こちらもコンセンサス予想の1株あたり3.41ドルを上回った。
 
注目すべきは、預金残高が2兆3800億ドル(約317兆円)と、前年同期比では7%減だが前の四半期からは2%増加し、アナリストの予想の約2兆3500億ドルを上回った点だ。同行の株価はプレ・マーケットの取引で6%上昇し、1カ月以上ぶりの高値で取引を開始した。
 
シリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー銀行、シルバーゲート・キャピタルが相次いで破綻・清算し、クレディ・スイスの信用不安が拡大した第1四半期の最後の3週間は、2000年代後半の金融危機以来、銀行業界にとって最も波乱に満ちた期間だったと言える。
 
時価総額と資産額で米国最大の銀行であるJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、先日の株主向けメモで、この混乱の余波は「今後何年も感じられることになる」と述べていた。
 
ドイツ銀行のアナリストのマット・オコナーは先日の顧客向けメモの中で、銀行危機と金利の上昇の影響に関するデータが増える今年の第2四半期が、銀行業界の今後を占うことになると述べていた。オコナーは、銀行業界が直近の四半期では「2カ月以上におよぶ比較的正常だった時期」の恩恵を受けたと指摘した。
 
ダイモンは最近の書簡で、地方銀行の破綻などの問題を、大手銀行が歓迎していたという考えを否定した。今回の銀行危機を受けて、中小の金融機関の預金が大銀行に流れ込んだことは事実だが「このようなメルトダウンを少しでも我々が歓迎していたという考え方は馬鹿げている」と、ダイモンは述べていた。
 
forbes.com 原文

編集=上田裕資

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