彼らが日本のどこを好んで訪れているのか。訪日回数別、年収別に調べたデータが、台湾人・香港人向けの訪日観光情報サイト「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」を運営するジーリーメディアグループから発表された。
同社は2月21日から28日、「樂吃購!日本」を利用する台湾人・香港人(繁体字中国語圏)4711名を対象に調査を実施。全体のランキングでは、首位に北海道、続いて2位東京、3位京都、4位大阪と王道の観光地が並び、5位に青森が入った。
訪日回数別に見ると、訪日回数が少ない(0~1回)層については、1位大阪、2位東京、3位北海道、4位京都、5位沖縄という結果に。一方で、訪日経験回数が10回以上のハードリピーターについては、1位北海道、2位東京、3位青森、4位京都、5位大阪となり、大阪が4位順位を下げ、青森が3位まで上昇。他にも山形(8位)、秋田(10位)の東北勢が上位に食い込んだ。
ハードリピーターについては、最下位の福井県でも「訪問したい」と回答する人の割合が5.68%で、訪日経験回数0~1回(山口県1.1%)、2~9回(福井県3.63%)に比べて高く、同社では「訪日経験回数が増えると、全国に需要の裾野が広がる」と分析。
ハードリピーターを年収200万円以下、201〜400万円、401万円〜600万円、年収601万円以上の年収別に見てみると、北海道、東京、青森、京都はいずれの層でも3割以上を獲得。年収に関係なく高い人気を集めていることが分かったが、年収に比例して人気が上昇する都道府県も存在した。
長野県と新潟県については、年収200万円以下の低所得者層では、長野19位(14.06%)、新潟22位(13.13%)となったが、201〜400万円では長野15位(16.94%)、新潟12位(19.88%)、年収601万円以上になると長野12位(20.55%)、新潟10位(21.17%)まで上昇。他にも秋田県や山形県、富山県などでも、同じ傾向が見られた。他方で、鹿児島県や熊本県、静岡県、愛知県など、年収が高い層ほどランキングが低くなる傾向が確認された都道府県もあった。
同社の代表取締役である吉田皓一氏は、台湾・香港からの訪日外国人について「去年10月の渡航再開から半年が経過し、よりニーズの細分化・ニッチ化が進んでいることが今回の調査から明らかになった」と説明。
さらに「台湾も香港も、一人当たりのGDPはすでに日本を上回っており、彼らの多くが日本旅行に求めるものは『非日常』体験で、他にない価値には出費を厭わない。世界で最も頻繁に訪日する台湾・香港からの来客を魅了するためには、高い安いに関わらず地域の独自性を活かした観光コンテンツの開発と、消費者への魅せ方・伝え方が鍵になる」と提言した。
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