メタバースは「死んだ」のか? AIブームの影で投資減少

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移り気なテック業界

テック業界は移り気で、「次のビッグウェーブ」と思われる分野にすぐ軸足を移す傾向がある。実際、筆者が率いる調査会社クリエイティブ・ストラテジーズは、新技術が開発される都度、大手ハイテク企業からビジネス機会を検証するよう依頼を受ける。ザッカーバーグがメタバース戦略を打ち出した際や、ChatGPTがヒットしたときは、特に依頼が増えた。

現状はAIが注目されているが、ザッカーバーグをはじめ、多くの人が将来性を見出しているメタバースに再び注目が集まるのはいつになるのだろうか。テック業界は、今後もAIに焦点を当て続けるだろうが、場合によってはメタバースが再び脚光を浴びる可能性もある。

アップルは、6月上旬に開催する開発者会議「WWDC」でヘッドセットを発表するのではと噂されている。仮に、アップルが出荷時期は未定ながらWWDCで何らかのヘッドセットを発表したならば、メタバースの概念が再び注目を集めることは間違いない。

また、アップルの動きを受けて、多くのテック企業がAIとメタバースの両方の機会を追うべく、研究開発予算を見直すことになるかもしれない。

筆者は、メタバースやヘッドセットの研究に2年を費やした結果、これらが死んだ技術ではないと確信している。しかし、メタバースがマスレベルに普及する時期は、誰にも予測不可能だ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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