映像も、前作では主にパソコンの画面で構成されていたが、今回の作品ではバラエティに富む新たなデジタルデバイスも登場しており、それらがスリリングにストーリーを繋いでいく。
できれば何度も繰り返し観て確かめたいシーンも頻出し、まさに一度観始めたら少しも目が離せない作品となっている。
ストーリーテリングの可能性も進化
前作から5年が経ち、デジタル世界はさらに進化した。その時代の流れに合わせて、前述のように「search/#サーチ2」の映像もかなり見応えのあるものになっている。それもそのはず。監督は、前作でこれまでにない巧みな手法で編集を務めたクリエイター、ウィル・メリックとニック・ジョンソンの2人。ウィルが次のように語る。
「私たちは前作で、ストーリーテリングに関わるさまざまな決断を編集室で下し、自分たちにそれができるということを証明しました。ストーリーをどうやって語ればいいのか、私たちにはわかっていました」
相棒のニックも「私たちは、このフォーマット特有の形で物語を展開させていく方法を知っていたのです」と語り、その言葉通り、前作を上回る驚きの映像表現も随所に見られる。
女子高生ジューンを演じたストーム・リード
前作で監督を務めたアニーシュ・チャガンティは、今回はプロデューサーにまわっている。ウィルとニックに監督を任せた新作については次のように語る。
「『search/サーチ』を監督しているときに、まず気づいたのは、これまでにないかたちで人間同士が繋がることを可能にする新しいアプリやウェブサイトが、毎日のように登場しているということでした。そういった技術が日々進化し続ける限り、ストーリーテリングの可能性も、それとともに進化し続けるのです」
原案者でもあるアニーシュは、今回の作品に対して「コンセプトは進化しているし、ストーリー中の興奮度も上がっている。1作目によりも新鮮でスピード感あふれる作品になっている」とバトンを渡した2人を称賛している。
まさに時代に合わせて進化を遂げた「search/#サーチ2」。この作品が描くさまざまなデジタルデバイスに囲まれている世界は、まさに自分たちもそこの住人であることを認識させ、もしかしたらこのようなことが起きるのではないかという未来をも暗示している。
連載 : シネマ未来鏡
過去記事はこちら>>