海外

2023.04.17 09:00

起業家は「家業」から生まれる インドや中東で新トレンド

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スタートアップを中心にビジネスのトレンドを、メールで隔週お届けしている「Forbes JAPAN Newsletter」。本連載では、その内容をピックアップして紹介します。

今回は、スタートアップのCxOを歴任した植野大輔さんによる「大胆不敵なキャリア戦略」コーナーから、4月2日の配信記事を掲載します。


最近、中東やインドの投資家、起業家の話を聞く機会が何度かありました。

起業のあり方として興味深いのが、すでにファミリービジネスで親が大成功を収めている家庭の子どもたちが、両親の財産や人脈を活かし、血気盛んにスタートアップ起業にチャレンジすることが、トレンドになっていることです。

家族の本業は長男が継ぐからと、むしろ新領域を狙う女性起業家も多いようです。

あるインドの起業家は、ロボット開発の領域で事業を起こしていて、「どんな理系のバックグランドなのか?」と思ったら、本人は技術のことはまったく勉強したことがないのだと言います。部品メーカーとして大成功した家で育ち(錦鯉をどうやったら買えるのか相談されました(笑))、2年前に米国西海岸の起業家向けプログラムに参加。「これからはロボットの時代だ!」とインスピレーションを得て、優秀な技術者を大量採用して起業したとのこと。

経営戦略論における新規事業の鉄則は「コア事業の周辺を狙うこと」です。その一方で、コア事業から非連続な場所に、家業のリソースを使って攻め込めるのがリッチ層の子どもたち。近い未来、これまでとはまた違ったスタートアップ、起業家たちが出現してきそうです。

日本では「家業を継ぐ」なんて言い方をしますが、継ぐだけでなく「家業から非連続にジャンプする」。そんな可能性を期待してしまいます。


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文=植野大輔

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