ミリサヴリエヴィッチが率いた国際研究チームは、ウェッブ望遠鏡の利用時間を約45時間与えられた。
プロジェクトの目的は、最初の爆発がどうやって起きたのかを理解することおよびそこにどんな種類の恒星があったのかを突き止めることだと彼はいう。こうした疑問は、現在、特に爆発の中心付近に、どれだけの量のガスとちりが存在しているかを正確に知ることにかかっている。さらに、どれだけの恒星残骸がちりに変わったかも理解する必要がある。
集めたデータ群は、注意深く組み合わせたり張り合わせたりしなくてはならない何百もの画像で構成されているため、データ処理には時間がかかるとミリサヴリエヴィッチはいう。
ちりや分子が超新星によってどのように形成され破壊されたかの解明を進めるために、何年にもわたる分析が計画されている。
カシオペア座Aの親星、もしくは複数の親星はいつ爆発したのか?
最初に発見されて以来数十年にわたって手に入ったカシオペア座Aの画像を使って、天文学者たちは残骸から放射状に飛び出したガスを追跡することができている。この動きの正確な測定値を使えば、元の爆発が起きた場所へと戻る弾道経路を追跡できる。この分析から、1680年前後という時期が推測されたとミリサヴリエヴィッチはいう。カシオペア座Aを生み出した超新星は、当時地球からは見えなかった可能性が高く、それはミリサヴリエヴィッチによると、地球と爆発した恒星の間には、おびただしい量の光を吸収するちりがが存在していたからだ。実際、天文学者のウォルター・バーデとルドルフ・ミンコフスキーが光学スペクトルで初めてカシオペア座Aを観測したのは、1950年代になってからだった。
しかし間違いなく、カシオペア座Aの最新光学画像は、世界がこれまでに見た中で最高だ。
地上、宇宙、合わせて数十台の望遠鏡を使用して、多くの恒星とその大爆発の研究に17年間を費やしてきたとミリサヴリエヴィッチはいう。そんな彼でも、このデータには不意をつかれた。
「宇宙時間の中で進化する銀河のことを考える人は、このカシオペア座Aの画像を常に念頭におくべきだ」とミリサヴリエヴィッチは述べた。
(forbes.com 原文)