ベゾスは、ニューヨークの投資会社アレン・アンド・カンパニーに入札を依頼したと報じられたが、なぜ買収を断念したのかは明らかになっていない。
フォーブスは、コマンダーズの価値を56億ドル(約7460億円)と試算している。ベゾスの撤退によってこの入札は、スポーツ王のジョシュ・ハリスとカナダ人実業家スティーブ・アポストロプロスの間で争われることになる。2人はそれぞれ60億ドルを提示したと報じられている。
コマンダーズのオーナーのダン・スナイダーは、ベゾスが所有するワシントン・ポストに掲載された記事に対する個人的恨みから、ベゾスの買収を阻止しようとしたと報じられたが、彼はこの疑惑を否定していた。
スナイダーは、数年前からの一連のスキャンダルによるチームの売却の圧力を受け、昨年秋にコマンダーズを売りに出した。同チームをめぐってはワシントン・ポストが2020年の記事で、スナイダー以外の幹部によるセクハラを暴露し、NFLはその後の調査を経て同チームに1000万ドルの支払いを命じていた。
さらに、NFLは昨年、スナイダーが関与した別のセクハラ疑惑についての調査を開始したが、この調査をきっかけに8月に別の不正行為が発覚した。コマンダーズは、ファンが支払ったシーズンチケットのデポジットを返還せず、金を騙し取っていたとされた。また、裏帳簿を作成することにより、他のチームに支払うべき金額を減らしていたとされた。
コロンビア特別区司法長官事務所は10日、コマンダーズがデポジットの返還を怠ったことに対する訴訟を解決するために、62万5000ドルの支払いに同意したと発表した。
NFLでは昨年、ウォルマート創業者の長男のロブ・ウォルトンが率いた投資家チームが、北米のスポーツチームでは史上最高額となる46億5000万ドルでデンバー・ブロンコスを買収していた。フォーブスは、ウォルトンの保有資産を615億ドル、ベゾスの保有資産を1209億ドルと試算している。
(forbes.com 原文)