北米

2023.04.13

米公共ラジオNPRがツイッター撤退 「国営メディア」認定に抗議

米首都ワシントンにあるNPR本社(John Greim/LightRocket via Getty Images)

米公共ラジオ(NPR)は12日、Twitter(ツイッター)の利用を取りやめると発表した。NPRは米政府からの出資比率が1%に満たないが、国営報道機関に使用される「国家当局関係メディア」や「政府出資メディア」のラベルがツイッターのアカウントに追加されていた。

NPRは声明で、同社の「信頼性を損なう」行動を取るサイトでの報道は行わないと表明。ツイッターが、ロシアや中国の国営報道機関にも使用される「国家当局関係メディア」とのラベルを追加したことで、NPRが独立した編集権を持っていないという誤った印象を生んだと主張した。

イーロン・マスクが所有するツイッターは先週、NPRのアカウントに「国家当局関係メディア」とのラベルを追加。このラベルは「国家が財源や直接的/間接的な政治圧力をもって報道内容を統制したり、制作および配信を管理したりする報道機関」を示すものと説明されている。

NPRはこの定義に当てはまらないため、同社のジョン・ランシングCEOはラベルの追加について「容認できない」と反発。だがツイッター側は応じず、数日後にラベルを「政府出資メディア」に変更した。

NPRは米政府機関である米国公共放送社から資金提供を受けているが、出資の割合は年間予算の1%に満たない。政府から出資を受ける米メディアは他にもあるが、ツイッター上でこうしたラベルを追加されたのはNPRのみだ。

ツイッターは英BBCに対しても「政府出資メディア」のラベルを追加。BBCはこれに反発し、自社の憲章には政府の影響から「独立していなければいけない」との編集方針が明記されていると説明していた。

マスクは11日にBBCが行ったインタビューで、ラベルが正確でなかったことを認め、文言を「政府出資」から「公共出資」に変更する意向を示した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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