教訓2:常に「クロスセル」を心がける
息子がレモネードスタンドをやりたいと言ったとき、私はレモネードしか作らないと思っていた。ところが、準備の手伝いをしているうちに、彼は「もっと大きなテーブルが必要だ」と言い出したのだ。
聞けば、彼は先週から絵や水彩画など、売るための "アート "を描いていた。 また、「レモネードと一緒にクッキーを食べるのが好きだから」と、クッキーを焼いたことも過去にあった。
その日は暑い日だったので、当然のことながらレモネードは大好評だった。しかし、誰かが「飲みたい」と言うと、私の小さな起業家は、自分の作ったクッキーやアートの可能性に目を向けるようになった。レモネードが欲しい人が自分のスタンドに来るということは、その人が他の商品も欲しがっている可能性が高いということを、彼は理解していたのだ。
この教訓は、すべての起業家が心に刻むべきものである。集客は難しいし、お金もかかる。いったん彼らの注意を引くことに成功したなら、利益最大化のために、できるだけクロスセルを心がけるべきだろう。
教訓3:顧客が本当に買っているものを理解する
もちろん、そのコツは、自社の主力商品と相性の良い商品・サービスを見極めることだ。私の息子の場合は、「レモネード」と「かわいらしさ」だった。
なぜ、子供のレモネード・スタンドに立ち寄る人がいるのか?多くの場合、その状況全体がとても「愛らしい」からだ。若さゆえの真剣さで頑張る姿を見てしまったら、無視することはで難しい。彼はこの事実を理解し、それを最大限に利用したのだ。そして、クッキーは論理的なクロスセルだったが、アートは天才的な発想だった。
彼はお客さんがレモネードが欲しくて立ち止まっているのではなく、そのかわいらしさに惹かれて立ち止まっていることを知っていた。つまり、商品ではなく、「自分」を買っているのだということを。何を売っているかは関係ない。立ち止まるということは、買うということなのだから。
販売術の原始的なあり方には驚かされる。 レモネードを売る子供であろうと、技術を売る熟練したプロフェッショナルであろうと、基本的な原理は同じだ。
起業家であれば、自称セールスの専門家やビジネスの第一人者の影響を受けてしまいがちだ。しかし私は、息子のおかげで、最も貴重な教訓は、しばしば最も予想外の場所で学ぶことができることを発見した。
今度、車でレモネードを売っている子供の前を通ったら、ぜひ立ち止まってみるべきだ。セールスの極意について学ぶことができるかもしれない。
(forbes.com 原文)