北米

2023.04.13

米国人の5人に1人が「銃で家族を失った」という調査結果

Getty Images

カイザー・ファミリー財団が4月11日に発表した調査結果によると、米国人の約5人に1人が、銃で亡くなった家族がいると回答した。このデータには、自殺も含まれているが、同財団の調査は米国における銃暴力の蔓延がいかに深刻であるかを示している。

今回の調査は、3月14日から3月23日にかけて全米の成人1271人を対象に実施された。それによると、米国人の約5分の1が、人生のある時点で銃で脅された経験があると回答し、約6人に1人が誰かが撃たれるのを目撃したことがあると回答した。

また、銃撃で負傷した経験を持つ人は全体の約4%で、自己防衛のために銃を撃ったことがある人も約4%だった。さらに、54%の米国人が、自身もしくは家族が銃乱射事件に何らかの関わりを持つと回答した。

銃犯罪には人種間の偏りが見られ、黒人の成人が家族を銃で殺されたり、銃撃を目撃したりする確率は、白人の成人に比べて約2倍高いことも明らかになった。

銃暴力のデータベースのGun Violence Archiveによると、米国では年初からすでに約150件の銃乱射事件が発生し、200人以上が亡くなっている。銃は現在、米国の子どもや青少年の死因の第1位であり、2020年に自動車事故による死者数を追い抜いた。ただし、銃による死者の大部分は、銃乱射事件ではなく、自殺や殺人によるものだ。

米国はフランス、オーストラリア、日本、英国などの諸外国と比較して、銃器による死亡率が数十倍も高い異例な国であることも指摘されている。

米国疾病予防管理センター(CDC)が公表している、通年の全データが入手可能な最新の年である2020年の米国の銃による死亡者数は約4万5200人で、1日あたり約124人が銃で亡くなっていた。

Gun Violence Archiveは、今年の銃による死者数を約1万1625人と推定している。そのほとんどが殺人(約5000人)と自殺(6666人)によるもので例年並みとされるが、銃乱射事件は146件で、過去2年間の同じ時期の件数を大きく上回っている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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