同社のCEOのダニエル・チャンは、その名前の由来を「千の質問から得られる真実」と説明し、AIベースの大規模言語モデルが、アリババのすべての製品に統合される予定だと語った。
プレスリリースによると、このボットはまずアリババのSlackに似た社内コミュニケーションツールのDingTalkで展開され、メールの下書きや会議メモの要約といったタスクに活用される。さらに、スマートスピーカーのTmall Genie(天猫精霊)では、料理のレシピや旅行のヒントを提供するなど、新たなインタラクティブ機能の統合に利用される予定という。
アリババは、独自のAIチャットボットの開発を競い合う中国のハイテク企業の群れに加わり、規制当局の注目を集めることにもなりそうだ。中国のサイバースペース管理局は、11日に発表したガイドライン案で、国内のすべてのジェネレーティブAI関連サービスに、セキュリティのレビューを義務づけた。
当局は現在、この規則案について一般からの意見を求めている。中国では別のハイテク大手のセンスタイムも、「SenseNova」という独自の大規模言語モデルや「SenseChat」というチャットボットを発表したばかりだ。また、検索大手のバイドゥ(百度)も「Ernie Bot(アーニーボット)」と呼ばれるAIチャットボットをすでに発表している。
調査会社Blue Lotus Capital Advisorsによると、アリババの通義千問の能力は、バイドゥのアーニーボットとほぼ同等という。アリババのAIチャットボットは、Eコマースのマーチャント(店舗)の広告や顧客サポートのコスト削減に役立つとされている。
ロイターの報道によると、アリババは先週から、通義千問のベータテストを行う企業顧客を募っている。
(forbes.com 原文)