宇宙

2023.04.14

2023年4月、こと座流星群を見る方法

礼拝堂の上に見えること座流星群の軌跡(多重露光による)。オーストリア、ニーダーホラブルン、2020年4月21日(Getty Images)

流星のシーズンがまたやってきた。毎年最初の3カ月は流星群が最も少ない時期だが、4月のこと座流星群で本格的な活動が始まる。

おおまかに言って今月後半の2週間、こと座流星群(4月こと座流星群とも)が活発になり、条件が良ければ観測することができる。NASAによると、活動のピークは4月22~23日頃で、運が良ければ、1時間当たり10~20個の流れ星か火球を見ることができる。

こと座流星群はどこから来るのか?

毎年この時期、太陽を公転する地球は、サッチャー彗星(1861 G1 Thatcher)が残していった、ちりとデブリの雲を通過する。この大きな宇宙の雪玉が内太陽系を通過することはめったになく、最後に地球の傍に来たのが1861年で、次に戻ってくるのは2270年代だと予測されている。

地球がこの雲の中を通過する時、大量のちりや細かい石が地球の上層大気と衝突し、地表に降りようと試みるがほとんどは成功しない。

私たちの見る流れ星は、上層大気の高いところで燃えるこうした宇宙の岩屑の小片だ。大きめの塊は、少し明るく長く燃える火球を作ることがある。

こと座流星群は今週末、本格的に活動を開始し、4月22日夕方から翌朝にかけてと予想されるピークに向かって活発になっていく。正確には、協定世界時(UTC)4月23日の深夜0時から午前3時頃(日本時間午前9時~正午)がピークだ。

つまり米国では、22日の日没から深夜の間が流星観測のプライムタイムになる。しかし、この時間、こと座流星群が現れる夜空の部分は、地平線の近くかその下になる。放射点と呼ばれるこの領域は、日の出前の数時間は空の高い位置に来る。

つまり、ピークは放射点が空の低い時に起こるため、西半球の観測者には見えにくく、放射点が頭上の理想的な位置に来る時には、活動がすでに弱まっているということだ。

欧州の人たちは、活動のピークが日の出の直前に来るので条件は最高になりそうだ。

放射点が空の低い位置にある早い時間に観測する利点の1つは、地平線から上向きに飛んでいくように見える、珍しい流れ星を見ることができるかもしれないことだ。

明るい火球は出現するのか

おそらく出現するだろう。こと座流星群は、明るい飛跡と時折現れる火球で知られている。

今年は、月が三日月より少し大きい程度で、放射点が空高くなるずっと前に沈んでしまうため、理想的な暗い空を得られることにも助けられる。
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翻訳=高橋信夫

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