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2023.04.12 12:00

ソフトバンクG出資の米「治療用アプリ」企業が破産申請

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医師が処方する治療用アプリを展開するスタートアップのPear Therapeutics(ピア・セラピューティクス)が4月7日、破産を申請した。

ボストンを拠点とする同社は、アルコール依存症や薬物などの乱用に伴う精神疾患の治療を目的とした3つのアプリで米食品医薬品局(FDA)の承認を獲得したが、支払いを行う保険会社の確保に苦戦していた。

ピア社のCEOのCorey McCannは、リンクトインの投稿で次のように述べた。「医師はデジタル治療薬を喜んで処方し、患者も喜んで使うが、それだけでは十分ではない。ペイヤー(支払い者)は、臨床的に必要で、効果的で、コスト削減につながる治療法に対する支払いを拒否する力を持っている」

ピア社のアプリは、医師による継続的な治療と合わせて使用されることを想定しており、その支払いは、一部の商業保険会社や低所得者向けの医療保険のメディケイドから行われる。しかし、高齢者向けの医療保険のメディケアはこれに対応していない。

2022年にピア社の製品に対して書かれた処方箋は4万5000枚以上あったが、同社が支払いを受けられたのは41%に過ぎなかった。2022年に同社は、1270万ドルの売上に対し1億2340万ドル(約164億円)の営業損失を計上した。

ピア社は、2021年12月に特別買収目的会社(SPAC)との合併で上場したが、今から約3週間前の第4四半期の決算説明会で売却を模索すると発表していた。同社は、2020年12月にソフトバンクグループの主導で8000万ドルを調達していた。

「過去2年間の市場環境は、当社を含む多くの成長ステージの企業を厳しい状況に追い込んだ」と、McCannは述べ、今後も売却先探しを続けると語っている。彼は4月6日にCEOを退任し、破産手続き中は、最高財務責任者であるChristopher GuiffreがCEOを務める予定という。

ピア社は、約170名の従業員を解雇し、約15名からなる「移行チーム」を維持すると、申請書には記載されている。「このニュースが、患者のためにイノベーションを起こそうと奮闘する人々の熱意を削がないことを願っている」とMcCannは述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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