Insiderによると、マスクは最近、アルファベット傘下のDeepMind(ディープマインド)からIgor BabuschkinとManuel Kroissを含むAIエンジニアを引き抜いたという。彼は、ツイッターが独自のAIソフトを開発するための人材を探している模様だ。
マスクのAI開発は、まだ「初期段階」にあるとのことで、それは、彼のこのテクノロジーに関する歴史を見れば納得がいくだろう。彼は2015年にChatGPTの開発元のOpenAIを共同創業したが、その後、パートナーだったサム・アルトマンと対立したと伝えられている。
マスクは2018年にOpenAIを買収しようとしたが、取締役会はそれを認めず、彼は会社を去った。マスクがAI開発の6カ月の休止を要求した背景には、そういった過去の確執がある。
マスクはまた、グーグルやOpenAIとのAI戦争の拡大に向けてエヌビディアから高価なコンピュータを多数購入したと伝えられている。AI開発には高価なGPUが必要で、非常にコストがかかる取り組みになる。
Insiderは、ツイッターがAI技術を用いて検索機能を改善し、広告機能を強化するのかもしれないと述べている。昨年10月にマスクがCEOに就任して以来、ツイッターからは多くの広告主が離れており、これは理にかなった動きと言えそうだ。
注目の新興メディアのSemafor(セマフォー)は先日、コルゲートやクローガーといった大手企業の幹部らが、マスクの発言や、幼稚なジョークのセンスを理由に、公の場でマスクと会うことを避けていると報じた。
マスクは、来週マイアミで開催される広告業界のカンファレンスPossible Conferenceに登壇予定だが、筆者は、誰かがその場で、彼が独自のAIを開発している理由について聞くべきだと思っている。なぜなら彼は、6カ月のAIの開発休止を求めた理由について、詳しく語っていないからだ。
(forbes.com 原文)