宇宙

2023.04.11 15:30

息を飲むような「すばる」と横で輝く金星の共演

すばるを抱擁する金星。444光年離れた両者は8年に1度出会う(Getty Images)

すばるを抱擁する金星。444光年離れた両者は8年に1度出会う(Getty Images)

8年に1度、金星は夜空で最も美しいともいえる星団を通過する。それが次に起きるのは2028年だが、今週、この最も明るい惑星である金星(現在「宵の明星」として明るく輝いている)が、プレアデス星団(すばる)のわずか数度の位置を通過する。以前にもプレアデス星団を見たことはあるかもしれないが、今週はぜひクローズアップで見てほしい。できれば双眼鏡を持って。
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この景色だけでは不足だといわんばかりに、今週は、南米から大きく期待されるロケットが打ち上げられ、欧州宇宙機関(ESA)は、木星の巨大な衛星ガニメデ(太陽系最大の衛星であり、水星や冥王星よりも大きい)を周回させる計画を実行する。さらには初の有人宇宙飛行の祭典もあり、早起きの人には、三日月と土星の合(ごう)も見ることができる。宇宙ファンにとってなんとすばらしい週だろうか!

4月11日火曜日:金星とプレアデス星団(すばる)

日没直後に西の地平線がよく見えるところにいると、明るい惑星である金星の美しい姿が、プレアデス星団のきらめく散開星団のすぐ近くに見える。その光景は沈んでいくので、1時間ほどすると地平線の下に隠れてしまうが、早くに良い位置を確保していれば、ペアの下に水星を見つけることができるかもしれない。いずれにせよ、プレアデス星団の中に金星が現れるのは非常に稀で、非常に美しい出来事だ。金星は星団から2.5度ほどの位置にくる。

4月12日水曜日:ユーリーズ・ナイト

この日は世界宇宙飛行の日で、ユーリーズ・ナイト:ワールド・スペース・パーティーとして毎年祝福されている。1961年4月12日、ソビエトの宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンが人類で初めて宇宙へ旅立ち、小さなボストーク1号カプセルで地球を108分間周回したことを記念している。

4月13日木曜日:下弦の月と欧州の木星探査打ち上げ

満月から欠けていく月は、この日に輝面比50%になる。「Last Quarter(あるいはThird Quarter)Moon」(日本では下弦の月)と呼ばれ、昼間に月を見る絶好の機会だ。それは月が深夜に昇り、昼に沈むためだ。月の出と月の入りは毎日約50分ずつ遅くなるので、今週後半は午後に月を探してみよう。

この日はさらに(幸運を祈ろう!)、待ち焦がれた木星氷衛星探査計画(JUICE)のロケットが打ち上げられ、木星の衛星エウロパ、カリストおよびガニメデを探索する。欧州宇宙機関はミッションの期間を最長にするべく、4月13日から30日までの打ち上げ可能期間が始まり次第できるだけ早く打ち上げることが極めて重要だ。ロケットは木星系までの長い旅を経て2031年に到着すると、地球以外の惑星の衛星を周回する史上初の宇宙船となり、9カ月かけてガニメデを周回する。
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翻訳=高橋信夫

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