同僚のひとりは、原稿に行き詰る度にトイレに入って歯を磨く。もうひとりは、頭をクリアにするために会社のビルを出て散歩する。筆者はかつて、昼休みのヨガでリフレッシュしていた。「フォーブス」のオフィスがマンハッタンにあった頃は、社員のためのヨガ講座があったのだ。1時間ほどヨガのポーズをとると頭がスッキリし、新たな気持ちで仕事に取り組むことができた。
調査によると、椅子に座りっぱなしの時間が長くなるほど業務効率は落ちるようだ。デスクを離れて体を動かすことは、集中力を高めるだけでなく健康にもいい。
トロント大学のジョン・P・トロウガコス教授によれば、特定の業務に集中しすぎるのはひとつの筋肉を長く使い続けることと同じだという。頭がぼうっとしてくる前に、適度な休憩を取ることが必要だ。教授は、外でちゃんとしたランチを取ることを特に勧めている。
広告業界屈指のクリエィティブエージェンシー、ワイデンアンドケネディのダン・ワイデンは、ナイキのコピー「Just Do It」で知られる。ノーマン・メイラーが殺人者ゲリー・ギルモアへのインタビューをもとに書いた『死刑執行人の歌』。同僚たちとこの本について話したことで、彼はこのコピーを思いついた。刑が執行される直前にギルモアが言った“Let’s do it”。この言葉がワイデンの頭に浮かんだのだ。
同僚とのおしゃべりも業務効率を上げる。マサチューセッツ工科大学のアレクサンダー・ペントランド教授によれば、同僚たちとおしゃべりをする時間をもったコールセンターのスタッフたちのほうが、ひたすら業務に励んだスタッフたちよりも電話で案件に対応するスピードが速く、ストレスが少なくて、カスタマーからの評価は同じレベルだったという。
下記に業務効率をアップする息抜きの方法をまとめてみた。
1.軽く散歩する
新鮮な空気を吸って目の前の景色を変えれば、行き詰まりも解消される。
2.昼寝をする
昼寝を認める会社も最近は出てきた。15分程度の仮眠はリフレッシュに大いに役立つ。
3. 同僚とおしゃべりする
何気ない短い会話が、手掛けている仕事に役立つこともある。
4. 用足しに出かける
オフィスを出てちょっとした用足しに出掛けるのは、散歩と同じ効果がある。気分がリフレッシュし、体を動かすことで血の巡りもよくなる。
5. 歯磨きをする
せっせと歯磨きするのは、仕事がはかどらない時に特に効果的だ。
6. 10分だけSNSにアクセスする
デスクを離れるほど効果はないが、フェイスブックやツイッターで気分を変えると休息にはなる。ただし時間を計って、5分以上没頭しないようにすること。
7. ジムに行く
法人契約のフィットネスクラブがあるなら大いに活用しよう。
8. ランチに出かける
同僚らと楽しく会話しながらヘルシーな食事をとることは、いろんな意味で大切だ。
これらを実践すれば、業務効率はアップし健康にもいいはずだ。ただし休憩を取りすぎて、仕事をただ先延ばししているだけの状態に陥らないように。