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2023.04.13 09:00

「1200年続く伝統を残す」カルチャープレナーの未来の書き換え方

京都を拠点にブランド「レナクナッタ」を展開する大河内愛加(写真=渋谷美鈴)

課題4. 発信力


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発売前の1月10日、大河内のTwitterで「Kiryu-zaiku Basket」について発表すると、反響が広がった。フォロワーたちからは「地元にこんな工芸があったとは」「これまで見たかごバッグの中で一番美しい」などの声が挙がった。これには大河内自身も胸を撫で下ろした。

「豊岡杞柳細工をまず知ってもらえたことがとても嬉しくて。リリースできてよかったなと思った瞬間でした。今後もコンスタントにこのバッグを手がけていくことで、山本さんや私たち作り手の思いが、若い人たちにも響いて、この工芸に関わる人たちも現れてくれたらいいなと思います」

また、今回の商品が出来上がった背景や生産過程について、レナクナッタのサイトやYouTubeで丁寧に発信している。このバッグのストーリーを知ることで、使い手はより深く愛着を持つだろう。

カルチャープレナー三箇条

山本自身、新たな思いを胸に秘めている。「今回のコラボで、この価格でも売れることを証明できました。これを機に、他のバッグの単価も上げたいと思ってるんですよ」。工芸に携わる職人として技術面で腕を磨くだけでなく、その先の「売れる」ことにもこだわるのは、珍しいかもしれない。だが、買い手が広がらなければ、産地の未来は先細りしていくだけだ。
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大河内は「ひとつの成功事例として産業に新たな風を吹かせたいと思っています。途絶えそうになっている伝統を繋いでいきたい」と語る。山本も「未来に繋がる一歩」だと感じている。今回の職人のコラボレーションから、大河内はどんな気づきを得たのだろうか。

最後に、大河内が考えるカルチャープレナーにとって大切な三箇条を紹介したい。

一、文化の衰退を社会課題として捉え、愛を持って課題解決に取り組むこと
二、失われつつある文化資源の魅力を掘り出し、時代に合った新たな価値をつけ、再び経済効果を生むこと
三、自らが「文化の伝道師」となること



新たな発想で行き詰まった伝統産業に風穴を開け、その先の未来を書き換えていくことこそが、真のカルチャープレナーの役割と言えるだろう。

文=督あかり

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