またウガンダは、国内のアルバート湖で産出される石油を、全長1400kmに渡るパイプラインを敷設して大西洋に運ぼうとしている。「東アフリカパイプラインプロジェクト(通称EACOP)」と呼ばれるこのプロジェクトは、フランスのTotalEnergiesと中国のChina National offshore Companyが数十億ユーロを出資。2022年11月に建設が開始された。
これはパイプライン敷設地域の環境に大きな影響を与えることが危惧され、国際的にも問題視されている。
この建設場所は「Operation Shujaa」が展開されている地域とも接しており、その主力であるウガンダ軍山岳部隊を訓練したのはフランス軍であることから、「Operation Shujaa」はパイプラインを守る役割も担っているのではないかともいわれている。
日本の基幹産業に大きな影響を与える可能性も
コンゴ民の鉱業部門は、南部の大規模なコバルト鉱山や銅鉱山をはじめ、全体の7割が中国の影響下にあるといわれている。2019年に就任したコンゴ民主共和国第4代のチセケディ大統領は、鉱業部門の立て直しを図るため、旧政権が中国と締結した過去の鉱業契約の見直しを含め、政府内の汚職や不正を排除するなど活発に手を打っている。
しかし国内東部では、人とモノの移動が困難な閉鎖環境下で、口を糊するために零細採掘に従事する人が多く、ドッド・フランク法をはじめ国際的な取引規制でカバーすることは困難だ。
カーボンニュートラルの達成が求められるこれからの時代。タンタルやコバルトを始めとするレアメタルの需要は、さらに高まると予測されている。つまりこの地域で置きている紛争や様々な国・組織の権謀術数の行く末が、日本の基幹産業である電子・電機・自動車業界に大きな影響を与える可能性があるのだ。