選ばれた宇宙飛行士は、NASAのリード・ワイズマン(船長)、ビクター・グローバー(パイロット)、クリスティーナ・ハモック・コック(ミッション・スペシャリスト)とカナダ宇宙庁のジェレミー・ハンセン(ミッション・スペシャリスト)の4人だ。
アルテミス2とは?
2022年11月に無人宇宙船が月の裏側を飛行したアルテミス1に続くミッションとなるアルテミス2は、1972年以来約50年ぶりの有人月探査を行う。打ち上げは2024年の予定だが、25年以降になる可能性が高い。基本的にアルテミス1と同じ飛行を有人で行うことになるが、4人の宇宙飛行士が搭乗することで、宇宙船「オリオン」が搭載する生命維持装置の性能が試される。10日間かけ、地球を2度周回した後、月の裏側の高度約1万mを通過する。
ミッションの概要は、NASAが1968年12月に実施した大胆かつ象徴的なアボロ8号ミッションとよく似ている。
アルテミス2は1と同様、NASAの最新重量級ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」でオリオンを打ち上げる。SLSが有人宇宙船の打ち上げに用いられるのは初めてとなる。
アルテミス3とは?
アルテミス3は、月面に少なくとも2人の飛行士を着陸させる野心的ミッションだ。人類の月面着陸は、1972年にアポロ17号の宇宙飛行士ジャック・シュミットとジーン・サーナンが行って以来、50年以上ぶりとなる。30日間のミッションとなるアルテミス3では、おそらく2025年に、2人の宇宙飛行士が月面(南極付近のどこか)に着陸する。着陸船はSpaceX(スペースX)の宇宙船「スターシップ」を改変したもので、NASAが月軌道に建設する宇宙ステーション「ゲートウェイ」から飛び立つ。飛行士は6.5日間に3回の月面歩行を行った後、スターシップでゲートウェイに戻り、そこからオリオンに乗って地球へ帰還する。
具体的な着陸地点は、NASAがミッションの目標日を設定した後に決められる。