テスラによると、新設する工場では年間1万個の「メガパック」を生産できる。メガパックは発電所向けの大型リチウム蓄電池で、同社の説明では約3600世帯に電力を1時間供給することが可能だ。
同社はすでにカリフォルニア州ラスロップにメガファクトリーを持っており、こちらでもメガパックを年間1万個生産できる。
テスラの最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスクはツイートで、上海工場は「カリフォルニアのメガパック工場の生産を補う」と説明した。
テスラは上海のメガファクトリーのオープン時期は明らかにしなかったが、中国の国営メディア新華社通信によると、2023年末に着工し、2024年のオープンが見込まれている。
Our next Megafactory will be in Shanghai 🇨🇳—capable of producing 10k Megapacks per year pic.twitter.com/KlVGq5gYOg
— Tesla (@Tesla) April 9, 2023
中国はテスラにとって重要な市場であり、同社のEV販売の大きな割合を占めている。ここ数カ月、同社は中国のライバル企業との競争で優位に立とうと価格を引き下げてきた。
しかし米中間の緊張が増す中で、テスラの中国との関係に対しては厳しい目が向けられている。昨年1月、テスラは新疆ウイグル自治区にショールームを開設したことで批判を浴びた。報道や監視機関によると、同地区は中国政府がイスラム教徒の多いウイグル族やその他の少数民族の人々を何千人も拘束している地域だ。トランプ政権とバイデン政権は中国がこの同地区で大量虐殺行為を行っていると非難した。テスラの動きについては当時、マルコ・ルビオ米上院議員(共和党、フロリダ州選出)は「中国共産党が大量虐殺と強制労働を隠ぺいするのを助ける」と非難した。また米製造者連盟が「恥知らず」とこき下ろし、在米イスラム改善協会からも批判された。
フォーブスの推定ではマスクの資産は1879億ドル(約24兆8920億円)で、世界長者番付で現在第2位だ。
先月、マスクが4月に訪中し、習近平(シー・チンピン)国家主席に近く、首相に就任したばかりの李強(リー・チャン)と会談する予定だと報じられた。
(forbes.com 原文)