2023.04.10 14:00

欧州の穴場3都市を結ぶ新鉄道路線、12月に開通へ

ドイツのアーヘン大聖堂(Getty Images)

ドイツのアーヘン大聖堂(Getty Images)

来年、欧州を鉄道で旅するなら、国境を越えて3カ国の都市を結ぶ新路線に注目してみてはいかがだろうか? このルートを使えば、観光客の多い場所を避け、あまり知られていない3都市を簡単に訪れることができる。

欧州3カ国の都市を結ぶ鉄道の新路線

新路線は、ドイツのアーヘン、ベルギーのリエージュ、オランダのマーストリヒトを三角形に結ぶ。今年12月に開通し、運行間隔は1時間に1本となる予定で、欧州の鉄道会社アリーバ、SNCB、NSの3社が共同運行。過小評価されている3都市の観光を後押しすることが期待されている。

アーヘンの楽しみ方

ベルギーとの国境に近い独アーヘンは、中世に栄えた温泉都市だ。同市の大聖堂は欧州北部で最古のもので、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている。西暦800年に建築が開始され、その後、ゴシック様式の豪華な聖堂が建てられた。
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大聖堂には、アーヘンを皇居とした神聖ローマ皇帝のカール大帝(シャルルマーニュ)が祭られている。「ルート・シャルルマーニュ」と呼ばれる経路をたどれば、同皇帝にまつわる名所を巡ることができる。その宮殿跡を利用した市庁舎は14世紀に建造されたもので、かつて戴冠式や皇帝の祝宴が開かれた建物だ。

観光の疲れを癒すには、2つの噴水から硫黄を含んだ水が湧き出る古典的なパビリオンのエリゼンブルネンに向かおう。

リエージュの楽しみ方

ベルギーのムーズ川沿いに位置するリエージュは、古くから商業や文化の中心地として栄えてきた。街の中心部には色鮮やかなロマネスク様式の聖バルテルミー教会や、高くそびえるゴシック様式の聖ポール大聖堂など、中世の栄華が色濃く残っている。17世紀の邸宅を復元したクルティウス博物館 や、現在は裁判所として利用されている豪華な旧司教宮殿を訪れ、文化に触れてみよう。

リエージュはベルギーのフランス語圏ワロン地方に位置する。同地域にルーツを持つワロン系の人々は、ブラジルや米国、アルゼンチンにも多く暮らしている。旧フランシスコ会修道院を利用したワロン民族博物館では、その歴史に触れることができる。

マーストリヒトの楽しみ方

国境を越えてオランダに入ると、活気あふれる大学都市マーストリヒトがある。狭い石畳の通りには、美しい中世の建築物が建ち並ぶ。街の中心部には、ゴシック様式のエレガントな聖ヨハネ教会の隣に、ロマネスク様式の巨大な聖セルバティウス大聖堂が建っている。
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学生の街マーストリヒトでは、カクテルバーや、深夜営業の「コーヒーショップ」(大麻などを合法的に販売する店)、屋上のテラスやライブハウスなど、活気あるナイトライフを楽しむことができる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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