元ミュージカル俳優のマルベイニーは2020年、新型コロナウイルスの流行初期にTikTokアカウントを開設。数年後にトランスジェンダーであることを公表した。
「女の子になって〇日目」と切り出して性別移行の過程についてポジティブに語る動画シリーズで人気を集め、1000万人以上のフォロワーを獲得。これまでにも複数の企業と提携し、メディア露出を繰り返しており、インターネット上で保守派の反発を生んできた。
マルベイニーは今月1日、ソーシャルメディアに投稿した動画で、トランスジェンダー公表1周年を記念してバドライトから自分の顔をデザインした缶を贈られたことを明かし、米大学バスケットボール大会「マーチ・マッドネス」に関連して1万5000ドル(約200万円)が当たるキャンペーンの告知を行った。
これに対し、ソーシャルメディア上では保守派からの批判が殺到。歌手のキッド・ロックは3日、バドライトの缶を銃で撃ち、同ブランドと製造元のアンハイザー・ブッシュをののしる動画を投稿した。
アンハイザー・ブッシュは今回のコラボを擁護し、マルベイニーは自社が提携する「数百人のインフルエンサー」の1人にすぎないと説明している。
マルベイニーは4日にTikTokへ投稿した動画で、騒動に直接は触れず、最近あまり動画を投稿していないのは「少し落ち込んでいる」からだと説明。街中でごみ収集作業員から声をかけられたことで元気をもらえたとのエピソードを明かした。
翌5日にはナイキとのコラボを発表し、スポーツブラとレギンスを着用した姿をインスタグラムに投稿。これに対し、ソーシャルメディア上では再び反発が広がった。
五輪出場経験を持つ英国の競泳選手シャロン・デイビーズは、ナイキの決定に失望したとし、同社のボイコットを呼び掛けるとともに、トランスジェンダー女性の女子競技への参加を禁止するよう改めて訴えた。この他、自身もトランスジェンダー女性である米国の元五輪陸上選手ケイトリン・ジェンナーも、同様にナイキを批判している。