地球の磁場は、太陽から届く高エネルギー粒子を反射することで、生命を維持するスリムな大気を保護している。
惑星の磁場は、中心星が吐き出す粒子(太陽風)によって大気が疲弊するのを防ぐことができる。これと同じ「宇宙の天気」が地球でオーロラを引き起こしている。
オーロラの発見によって、YZ Ceti b(くじら座YZ星b、地球サイズの太陽系外惑星でくじら座にある地球から12光年離れた赤色矮星を周回している)は磁場のある地球型太陽系外惑星の最有力候補になった。
「太陽系以外の恒星系で、居住可能あるいは生命が存在する世界を見つけるためには、岩石質の地球に似た太陽系外惑星に磁場があるかどうかを解明できることが重要です」と、NSF(全米科学財団)で国立電波天文台のプログラムディレクターを務めるジョー・ペッシュは、Nature Astronomyに掲載された最新論文について話した。「この研究は、この地球型惑星に磁場がある可能性を示すだけでなく、もっと発見するための有望な方法を提供するものです」
ニューメキシコ州にある超大型干渉電波望遠鏡群を使用して、研究チームはくじら座YZ星が生成し、惑星であるくじら座YZ星bの磁場に干渉されたと考えられる強い電波を検出した。
「この電波は恒星の周辺環境に関する新たな情報を教えてくれます」と論文の共同主著者、セバスチャン・ピネダは述べ、この検出を「太陽系外宇宙の天気」と呼んだ。「私たちは実際に恒星のオーロラを見ているのです。それがこの電波放射です。そして、もし惑星に大気があるなら、そこにもオーロラはあるはずです」
遠くに存在する太陽系外惑星周辺で磁場の存在を検知することは容易ではない。地球サイズの太陽系外惑星の周辺に磁場が見つかったのはこれが初めてであり、これまでの検出例は、木星サイズの太陽系外惑星のものだけだった。
12光年の彼方から送られてくる電波が検出されるためには、電波が非常に強いだけでなく、太陽系外惑星が中心星の非常に近くを周回している必要がある。くじら座YZ星Bは、中心星を周回するのにわずか2日しかかからない。「中心星のすぐ近くを周り、サイズが地球くらいの惑星を探しています」とペネダはいう。「そういう惑星は、居住する場所としては中心星に近すぎますが、あまりに近いために、惑星は中心星からやってくる大量の物質をかき分けて進んでいるような状態です。もしその惑星に磁場があって、十分な量の星の材料をかき分けていけば、中心星に強い電波を放出させるでしょう」
これらの発見を検証するためには追加作業が必要だと研究チームはいう。
(forbes.com 原文)