「何も自社プロダクトがない状態で、『OMOをやります、導入しませんか』と話しても先方は受け入れがたいはずです。でも、自社で実店舗や物理的な機材を持ってサービス提供をしているroot Cがあることによって、オンラインとオフラインで事業を展開する難しさを理解している会社と認識してもらえていると思います」(中尾)
山田の見解はこうだ。
「最近は、コンサルティング系の事業者が業績を伸ばし、RPA(ロボットによる業務自動化)やBPO(業務の一部を専門業者に委託すること)を顧客に促すケースが多く見られます。ただ、営業をしながら実感するのは、主体的に事業をやっていることが安心感につながっていることです」
New Innovationsが直近のターゲットとしているのは、飲食や小売業界だ。中尾が次のように締めくくる。
「労働者に頼る割合が、他の産業よりも明らかに大きいのが飲食業界です。ここで成果が出なければ、他の領域には通用しないと考えているので、まずはここから攻めていきたいと考えています」
AIカフェロボットroot Cで得た知見を武器に、事業の本丸であるOMOへと乗り出すいま、ニューイノベーションズは今回調達した資金をどうやりくりし配分していくのか。ここが彼らの大きなターニングポイントとなりそうだ。