宇宙

2023.04.07 15:00

見つけにくい「水星」を日没後に肉眼で確認する方法

宇宙から見た水星の想像図(Getty Images)

数日前の晩、私は日没後にユタ州キャニオンランズ国立公園の待機所にいた。金星が実にはっきりと見えた。少しでも天文観察をかじったことのある人なら、日の入りのすぐ後、西の空に見えるあのすごく明るい「宵の明星」が、地球の暖かな姉妹惑星であることを教えてくれるだろう。

しかし、そのすぐ下に、私の肉眼で容易に見える何かがあった。地平線のずっと近くに見えた独特の赤みがかった色、水星はほとんどの人の観測目標リストには入っていない。事実、昨年ある天文の専門家が、水星を肉眼で見ることは不可能だと私にいった。

太陽のごく近くをわずか88日で周回する水星は、見つけにくい惑星だ。しかも10分も経たないうちに、水星は地平線の下に沈んでしまった。

水星を見るのが難しい理由。そして水星は2023年4月にいつ、どこで見ることができるのだろうか。

めったに水星を見ることができない理由

水星を見るためには正しいタイミングが必要だ。なぜなら水星はほとんどの時間、太陽のまぶしさに隠されているからだ。しかも、日の入りから「水星の入り」までのわずかな時間にそれを見なくてはならない。

2023年4月、水星は「東方最大離角」になる。2023年4月11日の日の入り後、水星は地平線の上19.5度の位置に現れる。実はすでに見ることができる。そしてチャンスは今後数週間、毎晩訪れる。

地球が1年で1周する間、水星はおよそ4周、太陽の周りを回っているので、1年に4回見ることができる。日の入り後の西に2回と日の出前の東に2回だ。

4月に水星を見るべきタイミング

しかし来週の水星は2023年のどんなときよりも高く昇る。北半球から水星を見る1年で最もよいタイミングだ。

よい観測場所を確保して、西の地平線近くを日の入りの約20分後に注目すると、夕暮れの空に少しの間だが明るく水星が輝く。

また2023年4月21日に同じ場所、同じ時間に行って、もっと低い位置の水星を垣間見よう。そばには超細い三日月がある。

NASA、ESA、JAXAの水星探査

NASAのマリナー10号探査機は、1974年から75年にかけて水星の画像を撮影し、NASAのメッセンジャー計画は2008年から2015年まで水星の地図を作った。 欧州宇宙機関(ESA)のミッション「ベピ・コロンボ(BepiColumbo)」は、2025年12月5日に到着したら、水星の地図をさまざまな周波数で作成する。

ミッションの2機のオービター(軌道船)、ESAのMercury Planetary Orbiter(MPO、水星表面探査機)とJAXA(宇宙航空研究開発機構)のMercury Magnetospheric Orbiter(MMO、水星磁気圏探査機 「みお」)は、水星の起源と進化、内部構造、地質、組成、クレーター、大気、磁気圏(および太陽風との相互作用)、そして水星の磁場を共同で研究する。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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