ロシア軍の最初の進撃が失敗に終わった後の昨年8月、欧州評議会の外交に関する文書には以下のようにある。
「ロシア軍はこれらの失敗を受けて集中砲火に頼る戦術に回帰した。ウクライナ軍の陣地に大規模な砲撃を数時間にわたって行い、歩兵や装甲車による攻勢のための道を切り開いた。ロシア軍は主にウクライナ東部でこの戦術を用い、結果として他の方法よりも多くの領土を獲得した」
米雑誌フォーリン・ポリシーの「ロシア軍が大量砲撃策を取り続ける理由」という見出しの記事で、執筆したルシアン・スタイアノ=ダニエルズは、米国が正確な砲撃の必要性を重視する一方で、ロシアは軍隊の不備を補うために大量の砲撃を用いることを好み、この戦術はナポレオン戦争以前に遡ると指摘している。 「兵力に資金を注げない、あるいは注ぎたくない軍隊は何か別のもので補わなければならない」と書いている。
これは特に市街戦において顕著で、ロシア軍はチェチェンで磨いた戦術を繰り返してきた。歩兵が建物ごとに戦うのではなく、抵抗に遭うと大量に発射された砲弾が区画全体を破壊する。その結果、占領した町や都市は完全に破壊され、大量の弾薬が費やされることになる。
ウクライナ軍との戦いでもロシア軍の大砲は特定の目標ではなく敵がいる方向に砲弾を発射するのが目立ち、これは第一次世界大戦の戦場を思わせる。
この戦い方はロシア軍の砲兵司令官にとって規則に従っているまでのことだ。ロシア軍の射撃表には、あらゆる目標に対して集中砲火を行うのに必要な弾数が書かれており、これによると装甲車1台を破壊するのにさえ数百発が必要だ。
A friend of mine in the Ukrainian army, currently deployed near Izyum, sent me this picture of his section of the front.
— Nolan Peterson (@nolanwpeterson) April 23, 2022
“The Russians are trying to break through our defenses,” he said. pic.twitter.com/FaZRi7mRln