ティキアーによると、Zapvisionの開発にあたっては、カメラに多くの製品やそのコードが同時に認識されてしまう場合の対処法や、情報をユーザーにわかりやすく整理して提示する仕方などが課題になったという。
アクセシブルQRコードは、従来のQRコードの周りに「D3」(「dot-dot-dash=2点と線」の頭文字をとったもの)と呼ぶ独自のパターン(特許出願中)が組み込まれている。このパターンにより、パッケージに記載された1.5cm四方のQRコードを、より遠くから読み取れるようになる。従来型QRコードと比べ、製品の種類のみであれば7倍の距離、製品の詳細情報は4倍の距離からの認識が可能だ。
これらの商品情報は、スマートフォンのアクセシビリティー機能と連携したアプリを通じて、より大きな文字で画面に表示されたり、音声で読み上げられたりする。これにより、目の不自由な人も商品の使い方や原材料、安全のための警告、リサイクル情報、プロモーションなど、パッケージに表示されている情報をすべて知ることができる。視覚障害のない人も、従来と同じ方法でこのQRコードを読み取り、商品紹介のページにアクセスできる。
Zapvisionのソフトウエア開発キット(SDK)は特許料無料で提供されている。ユニリーバとザッパーは、業界団体による2023年の「PACグローバル・アワード」でIOUユニバーサルデザイン部門の最高賞に選ばれた。アクセシブルQRコードは現在、英国内で販売されるPersilのプラスチックフリーの洗剤ジェルボールと「Ultimate Liquids」ブランドの製品パッケージに印刷されている。
(forbes.com 原文)