マーケティング

2023.04.08 14:00

制約を越えて共有体験へと進化した、イベントマーケティングのさらなる可能性

リアルな消費者に接触できる

マーケティングにおいてイベントとは、広告詐欺に悩まされない最後のフロンティアの1つだ。広告詐欺は、2022年の1年間だけでも、米国の広告主に推定で810億ドル(約10兆6300億円)の損害を与え、それ以外のデジタルエコシステムにも蔓延している。しかしイベントは比較的、こうした類いの悪影響を受けにくい(ボットが、イベントに参加するチケットを購入することはほとんどないからだ)。

一方、ターゲティング広告は厳しさを増している。消費者の意識が向上し、データプライバシーについて懸念を深めているためだ。Chrome(クローム)でのサードパーティCookie廃止が間近に迫る今、広告主は、Google(グーグル)やFacebook(フェイスブック)など「ウォールドガーデン」の外で消費者の行動を追跡することは難しくなりつつある。広告主は、メディア予算の新たな使い方を模索中だ。

その点でイベントは、リアルな消費者とつながる絶好の機会であり、自力で収集するファーストパーティ・データを使ったコンテクスチュアル広告の質を高めてくれる。

イベントを通じたマーケティングは、総合的な広告戦略の一環になりうる。例えばライブリー・ワールドワイドでは、国際広告賞カンヌライオンズの会場で、ツイッターのためにライブ配信イベントを実施した。このコンテンツはのちにツイッターの広告として、2018年に開催されたアカデミー賞授賞式のテレビ中継中に放映され、国際デジタル芸術科学アカデミーが主催するウェビー賞を受賞するに至った。

ブランドがイベントの持つコミュニティ構築力を再検討し、没入型テクノロジーを採用すれば、充実した新たな形で消費者とつながれるようになる。広告主は、イベントをメディア戦略の一環ととらえ、ファーストパーティ・データの力を活用することで競争力を維持できる。創造力を発揮してコミュニティと戦略を一体化させることで、オーディエンスと文化にいつまでも消えない印象を刻み込める可能性があるのだ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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