私はSNSで度々見かけたため、その理由を調査したところ、「原産国表示のトリック」「缶詰にされるトマトの品質」「缶の内側のコーティング」の3つが主な要因だった。
今回は、それぞれの要因を掘り下げて、トマト缶が危険だとされている理由を解説していく。
原産国表示のトリック
トマトが最も安く手に入るのは、生産量世界1位の中国だと言われている。実は、原産国が「イタリア産」と書かれていても、実際には中国で採れたトマトを使用していることが多々ある。
なぜそんなことがまかり通るのか。消費者庁によると「輸入加工した食品の場合、どこの国から輸入されたものか」を書くことになっているからだ。
中国産のトマトだから危険というわけではないが、この事実を知った人々の多くが、トマト缶の安全性に疑問を抱いているのだろう。
缶詰にされるトマトの品質
缶詰にされるトマトには、古くなって酸化が進み、腐ってしまったものが使われていることがある。ほかには、水で薄めたトマトにでんぷんや食物繊維を加えてとろみをつけ、着色料で鮮やかな赤色に染めることで、新鮮な商品に偽装して売られている場合もある。
このようなトマト缶は、特にアフリカで顕著に見られるようだ。
缶の内側に使われている化学物質
トマト缶の内側は、缶が腐食したり金属が溶け出したりするのを防ぐために、ビスフェノールA(BPA)という化学物質でコーティング加工されている。
そのビスフェノールAが、トマトの酸の影響で缶の中に溶けて、体に有害な影響をもたらす可能性が指摘されているのだ。
ビスフェノールAを多量に摂取してしまうと、神経や行動・乳腺・前立腺がん・思春期双発などにつながるといわれている。
ビスフェノールAが多い缶詰
ビスフェノールAのコーティングは、トマト缶だけにされているわけではない。日本生協連の調査では、海外製造の缶詰でのビスフェノールA溶出量が最も多く検出されたのはツナ缶であり、その量はトマト缶の約1.5倍。
一方で、フルーツ缶からはビスフェノールAがまったく検出されなかった。