バイトダンスの新たなSNSアプリであるLemon8は、3月末から米国のアップル、アップストアのライフスタイルカテゴリ(無料)のランキングで1位に浮上した。このアプリは、2020年に日本で初めてリリースされベトナム、マレーシア、タイ、シンガポールなどの国に続き2月に米国と英国で公開された。
Lemon8は、中国版インスタグラムと呼ばれる「小紅書(RED)」のコンセプトをバイトダンスが模倣したものだという見方もある。
TechCrunchがdata.aiに確認をとって報じたところによると、Lemon8は先週以前はアップストアのどのカテゴリーでもランクインしておらず、親会社のバイトダンスが何らかの裏工作によってこのアプリを浮上させた可能性がある。
ニューヨーク・タイムズの記事によると、一部のインフルエンサーは、バイトダンスが指定した投稿ガイドラインに従って投稿を行い、Lemon8から報酬を得ているという。さらに、TikTokの#lemon8のハッシュタグは24億回以上も再生されている。
アプリ調査会社のApptopiaによると、Lemon8は最大の市場である日本ではすでに1600万ダウンロードされ、米国でのアクティブユーザー数は約425万人という。
このアプリの最も目を引く特徴の1つは、ほとんどの投稿でCanvaのようなグラフィックデザインが使用されていることだ。ユーザーは、写真の上にテキストを追加することが多く、それが何であるかを示すラベルや、購入元のアフィリエイトリンクが添付されている場合が多い。
しかし、Lemon8の動画はあまり人気がなく、最も人気のあるものでも数百のいいねがつく程度だ。1000件以上のいいねを獲得している動画の大半は、すでにTikTokで大きな存在感を示しているクリエイターが投稿したものだ。
バイトダンスは、Lemon8のクリエイターの育成に向けて、ニューヨークを拠点とする幹部社員の採用活動を活発化させている。同社がLemon8の米国でのプロモーションに注力するタイミングは、米国政府とTikTokとの間で、国家安全保障上の懸念に絡む緊張が高まった時期と重なった。
ピュー・リサーチ・センターの新たな世論調査によると、米国民の50%がTikTokの禁止に賛成で、22%が反対、28%が分からないと回答していた。
(forbes.com 原文)