東映アニメがNFTに参戦 フォロワーの応援でキャラクターが成長 #2

植野良太郎氏

水野:こうした歴史ある作品が実際にマネタイズしているような事例ってあるんですか?

植野:例えば「銀河鉄道999」のメーテルをパッケージに描いたお酒とか、そういったライセンス事業はあります。ですが、やはりファンは当時のファンの方々が多くて、新しいユーザーをつかみきれていない感じはあります。そこは当社の課題でもあると思いますね。

水野:反対に、メタバースで作品に触れてもらう機会を作ってみたら面白そうです。

植野:拡散性はすごくあると思っているので、例えばアイテムをNFTにして、ユーザーに所有してもらったりすることはできますよね。それを見た他の人が「あれ何だろう?」とか「いいな」と思ってくれて、そこから派生していけば、面白いですよね。

水野:今後「The Sandbox」上でやってみたい取り組みはありますか?

植野:僕が「The Sandbox」やメタバースに期待するものって、メタバースそのものの“未来”なんですよ。だから今年からいきなり「コミュニティを作ってほしい!」とか「ファンに長く愛される場を提供したい!」というようなことは考えていないです。メタバースという市場はまだまだ人も集まっていなくて、成熟していないですしね。

その種まきとして、例えばインフルエンサーになりうるようなNFT界の方たちに目を向けてもらえるようなことから始めていこうと思っています。「東映アニメーションってこんなことをやっているんだ」と知ってもらうところからですね。

それから、コミュニティ力が強くなるところにも注目しているので、モノのつくり方が変わっていくとも思っています。作る側が「これが面白い!」と思って提供するだけではなく、ファンの声を聞きながら一緒につくっていくこともできる。そのスタイルに先陣を切って挑戦できるのは楽しみです。

最終的には「東映アニメーションLAND」を作って、イベントや物販、カフェスペースも提供したい。もちろんアニメ会社としては作品の世界を体験できるような“中から見るアニメ”や“さわれるアニメ”みたいなモノを作っていけたらいいなと思っています。

文=水野和寛 編集=露原直人

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