植野:はい。あとは、NFTプロジェクトが好きな方って、すごく情報感度が高いんですよね。チャット上でもコミュニティを形成して、さかんに情報交換をしている。
リアルな場よりも、もしかしたらこういう場を作ったほうが、コミュニティの力も強まるのかなと思ったんです。我々としても売買だけではなく、IPを愛してくださるファンと、より強固につながりたいという気持ちがあるので、そこも期待できそうだなと思いましたね。
今朝話したことが、夕方には動く
水野:「The Sandbox」COOのSebastian氏とのミーティングもされていましたが、Web3でのクリエイティブの動きについて「今までと違う」と感じたところはありますか?植野:よくも悪くも、スピード感が全く違います。例えばアニメ業界では、1クールのアニメを作るなら「〇話の企画会議」とか「制作進行はこう」とか、わりと長期的なプロジェクトとして進めていきます。アニメよりスピード感のあるゲーム業界でも「再来週のイベントに向けて、来週の広告をこう打とう」と、おおよそ週単位で考えていくんです。
でもWeb3は「今朝話したことが、夕方には動いている」という感じで。みなさんの決断も本当に早くて、悩んでいることがないなと感じます。それゆえに、危ないところを走っていきそうになったり、グレーのまま突っ切っているように感じることもあるのですが(笑)。
水野:そうすると、東映アニメーションさんのような歴史のある会社では社内説得みたいなものも大変だったのでは。
植野:幸い、上層部が新しいことへの挑戦に積極的で、IP創出にも非常に応援してくれるような姿勢だったので、進めやすい部分もたくさんありました。ただ、もちろん全員がポジティブな感情をもっているかというとそこはイエスと言いきれません。経営状況を見ている人からするとリスキーだったり、前例がなく法的に不安なところもあるかもしれないんですけどね。これはもう、結果を出していくしかないかなと思っています。
水野:ありがとうございました。11日に公開する後編では、NFTプロジェクトや、海外で人気な作品のマネタイズについてお聞きします。