モビリティ

2023.04.06 11:15

根強い人気の小型スマートフォンで起こっている革命

利用者にとって豪華で居心地のよい閉鎖的なエコシステムを持つApple(アップル)でさえ、iPhone 13 miniの販売には苦戦し、米国のiPhone販売のわずか3%しか占めることができなかった。このためアップルはminiのプロジェクトを静かに中止した。売れ筋はどこに向かっているのだろうか? より大きく、よりハイスペックなiPhone Proモデルがその行き先だ。

そして、ここに登場するのがフリップフォン(折りたたみ式携帯電話)だ。筐体内にフルサイズのディスプレイを搭載することで、画面の小型化という妥協は不要になった。広げてみると、フリップフォンはごく普通の縦型携帯電話になる。ただし、真ん中に柔軟なスクリーンがあり、ヒンジ機構によって内部容積は少し小さくなっているが、それでも普通の携帯電話なのだ。

そして折りたたんでしまえば、より小さく、ポケットに入る形状になる。メッセージや通知をすばやく選り分けるためのカバー画面や、通常のスマートフォン作業用の大きなメイン画面など、さまざまな実装が行われている。また、ハイエンド仕様とたとえばカメラなどの高級部品を同じパッケージ内に収めることもできる。

サムスンのZ Flip(Zフリップ)シリーズは、Snapdragon 8第一世代のシステムオンチップを搭載したZ Flip 4をはじめとして、プレミアムな仕様を提供しながら、小さな形状をリードしてきた。Oppo(オッポ)が最近グローバルで発売したFind N2 Flip(ファインドN2フリップ)は、Mediatek Dimensity(メディア・テック・ディメンシティ)9000+を採用し、ほぼ同様の性能を提供している。これらのメーカーは早くから参入しているが、最初のメーカーではない。

フリップスタイルの携帯電話を発売するメーカーが増えれば、ディスプレイの価格が下がり、スクリーンやヒンジの技術への投資が進み、消費者はブランド間の選択肢が増え、メーカーが提供する製品の価格帯も増えるだろう。デバイスが増えれば開発者が対応できる市場も増えることになる。

小さなスマートフォン革命はこのように起きている。これまでの小さなスマートフォンとは違い、開くだけでフルサイズのディスプレイが表示されるのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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