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2023.04.07 08:00

医療分野でも導入進む「ジェネレーティブAI」の活用事例

新薬開発にもジェネレーティブAIを活用

ジェネレーティブAIはまた、患者のプライバシーに対する厳しい要求を満たす「合成医療データ」の生成においても役立つツールだ。ジェネレーティブAIを用いて合成医療データを生成するスタートアップの「Syntegra」の技術は、ジョンソン・エンド・ジョンソンが所有する製薬会社ヤンセンファーマシューティカルコスによってテストされている。同社のデータは、十分な臨床データを集めるのが困難な、一般的ではない病気の研究に特に役立つとされる。

一方で電子カルテ(EHR)においても、その代表的なプロバイダーであるEPICが、ChatGPTの導入を開始している。同社は「医師や看護師がキーボードに向かう時間を減らし、業務を効率化するためにChatGPTを使用する」と述べている。

さらに、マイクロソフトが買収したヘルスケア分野に強みを持つテクノロジー企業のNuance Communicationsも、3月20日に「GPT-4を導入した完全自動の臨床文書アプリケーション」を発表した。

医療を改善するためのAIテクノロジーは、ベンチャーキャピタルやビッグテック、医療分野の大手からの関心と投資を集めている。例えば、雇用主向けのヘルスケアサービスのTranscarent社は、医師向けのチャットボットの「98point6」社の一部を最大1億ドルで買収しようとしている。TranscarentのCEOのGlen Tullmanは「当社のサービスはAIを前面に押し出している」と語り、98point6のチャットボットが患者とのテキストのやり取りでデータを収集し、医師のために要約を行えると説明した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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