北米

2023.04.05

トランプの起訴状公開 女性3人との不倫もみ消しめぐる重罪34件

米ニューヨーク・マンハッタン地区の刑事裁判所で罪状認否に臨んだドナルド・トランプ前大統領(Andrew Kelly-Pool/Getty Images)

ドナルド・トランプ前米大統領は4日、ニューヨーク・マンハッタン地区の刑事裁判所で罪状認否に臨み、無罪を主張した。その直後に公開された起訴状によると、トランプは3人の女性との不倫関係を隠すために行った一連の口止め料支払いをめぐり、重罪となる第一級ビジネス記録改ざん34件の罪に問われている。

マンハッタン地区検察当局は報道発表で、トランプが2016年大統領選挙の前後に「キャッチ・アンド・キル(スキャンダルを捕まえて抹殺する手法)」を用いて女性3人との不倫のもみ消しを試みたと指摘。「この行為を隠すためにあらゆる手段を講じ、犯罪行為を隠蔽するための虚偽のビジネス記録を数十件生み出した」と主張した。

これらの行為は自身に不利な情報を有権者から隠すことが目的で「州と連邦の選挙法に違反する試み」に相当すると検察当局は説明している。ビジネス記録改ざんは、目的が犯罪隠ぺいだった場合、軽罪ではなく重罪となる。

16ページにわたる起訴状では口止め料支払い3件に関する詳細は明らかにされていないが、報道発表からは、そのうちの1件が2006年にトランプと不倫関係にあったと主張するポルノ女優のストーミー・ダニエルズに対するものであることがわかっている。

検察はまた、トランプが妻ではない女性との間に子どもをもうけていたと主張していたトランプタワーのドアマンに対し、トランプが口止め料として3万ドル(約400万円)の支払いを手配したとも主張した。

3件目の口止め料は、出版社アメリカン・メディア・インクが米男性誌プレイボーイの元モデル、カレン・マクドゥーガルに対して支払ったものだ。同社が発行していた大衆誌ナショナル・エンクワイアラーは以前、トランプの旧友が発行人だった。同社はトランプと不倫関係にあったとするマクドゥーガルの話を報じる権利を15万ドル(約2000万円)で買ったが、この疑惑を実際には報じなかった。

起訴状と検察の報道発表では女性たちの身元は明かされていないが、この3人をめぐる疑惑は以前から広く報じられていた。

トランプの罪状34件はいずれも、最高で禁錮4年が言い渡される可能性があるものだ。ただ、米ヤフー・ニュースは法執行当局筋の話として、初犯の場合は実刑判決が出る可能性はないと伝えている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事