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2023.04.05

TikTok、子どものデータ悪用で英国で罰金約21億円

Getty Images

英国の個人情報保護監督機関(ICO)は4月4日「子どものデータを悪用した」として動画共有アプリTikTok(ティックトック)に約1600万ドル(約21億円)の罰金を科したと発表した。中国とのつながりや若いユーザーに有害な影響を及ぼしている可能性をめぐってこの大人気のプラットフォームには厳しい目が向けられており、そうした中での今回の罰金だ。

ICOはTikTokが多数の「データ保護法違反」を犯し、子どものプライバシー保護を怠ったとして1590万ドルの罰金を科した。

TikTokは13歳未満の子どものアカウント作成禁止を規定しているにもかかわらず、当局の推定によると、2020年には140万人もの13歳未満の英国の子どもたちにプラットフォームを利用させていた。

自社規定を破っていることに加え、13歳未満の子どもの個人データを使用する組織に保護者の同意を得ることを義務づけている英国のデータ保護法にもTikTokは違反していると当局は指摘した。

当局はTikTokが保護者の同意を得なかったことを批判し、同社は「13歳未満が自社プラットフォームを利用していることを認識すべきだった」と述べた。また、未成年のユーザーを特定して排除するために必要なチェックを行わなかったと指摘している。

ICOが科した罰金としては過去最大級で、この額はTikTokの過ちの「深刻な影響を反映している」とICOのジョン・エドワーズは説明。この過ちによって子どもたちが「有害で不適切なコンテンツ」にさらされる可能性があり、追跡やプロファイリングされるようになってしまったかもしれないと指摘している。

TikTokの広報担当者はフォーブスに対し、同社はICOの判断に同意しておらず、13歳未満がプラットフォームを利用できないようにするために多額の投資を行っていると述べた。

エドワーズはICOの決定を説明する際「子どもたちが物理的な世界と同様にデジタルの世界でも安全でいられるようにする法律がある。TikTokはそうした法律を守っていなかった」と述べた。そして「TikTokは法律を理解し、善処すべきだった」と付け加えた。
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翻訳=溝口慈子

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