教育

2023.04.16 08:30

努力の日本、仕組みのアメリカ 現状打開の切り札は

中道:メディアは、子どもたちに対していいものとの接点をもっと広くつくることができるはず。スポーツ報道などはまさにそうだと思うんです。

日本のスポーツ番組はコメディアンが出てきて、女の子が「あの選手カッコいい」とかキャッキャ言っているだけですが、海外のスポーツ番組はプロが本気で試合を分析して、ちゃんとエンターテインメントに仕上げている。だから、なるほどプロの視点とはこういうものかと、見ている子どもたちは学びが得られるし、大人は目が肥えていきます。

河田:おっしゃるとおりです。日本でスポーツの仕事をしないかと誘われることがありますけど、申し訳ないけど日本では難しいなって。いろんな意味でおもちゃみたいだからできないですもん。

中道:でも河田さんは、日本のスポーツをよくする術を知っているでしょう?

河田:わかっていますけど、僕はね、途中で変えることを諦めたんです。あと100年生きられたら、現状を崩すところから頑張ろうと思いますけど、今は、こうしたら良くなるんじゃないかと気づいてもらうためにシェアするところまでに留めています。

中道:それはすごく突き刺さります。さっきの年齢の話にもつながりますよね。

河田:一生懸命変えにいこうとすると、それこそ「もう辞めてくれ」と言われる年齢で議員にならなければいけなくなるかもしれません。無責任かもしれないけど自分が楽しくなくなると思うんです。だから、この番組を聞いた人はぜひ1人以上にシェアしてほしいです。

中道:少なくともみんな問題意識は持っていると思うので、一歩外に出てもらいたい。特に男性。女性は結構出ているんですよ。そもそも女性の方が優秀ですよね。僕らは絶対にかなわない。

河田:そのロジックでいうと、どうして我が国では女性の国会議員や経営者が少ないんでしょう。スタンフォードなんて36の強化スポーツがありますけど、そのうち半分は女性のスポーツで、女性のヘッドコーチも多い。女性がヘッドコーチの職を得て、家族でスタンフォードに越してきて、夫が家で子どもの面倒を見ている家庭なんていくらでもありますよ。

中道:誰が働くとか誰が子どもの面倒を見るとか、そのチョイスの仕方はいろいろあっていいですよね。この番組が気づきになって、みなさんに何か1つでもアクションを起こしてもらえるといいなと思います。

文=久野照美 編集=鈴木奈央

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