河田:教育が大事だということは国会議員の方々もわかっているはずなんですけどね。
中道:僕、大学はイギリスでしたが、日本にある外資系の企業に就職活動をしたんです。日本の学生がみんな同じような恰好をしているなか、僕は赤いシャツに紺のタイ、グレーのスーツで面接に行きました。自分のことを覚えてもらいたかったし、イギリスのアパレルショップでアルバイトをしていた時に自分がディスプレイしたなかで一番売れた組み合わせだったから。
就職試験にはすごい数の応募があったと思うんですけど、僕はそれで最終の社長面接まで残りました。日本の教育は「こうじゃなきゃいけない」という教育をするでしょう。だからそこから出るのが怖いし、外に出ようともしない。そういうところが日本の教育の一番の悪だと思います。
河田:コンサバティブ中のコンサバティブの教育業界、根幹から変える必要がありますよね。
中道:誰かのためになるから自分ががんばるというような美学は、日本の中だけなら素晴らしいけど、世界では通用しません。世界とコネクトするなら、違うやり方を考えたり新しく何かを追加したりしなければいけない。
例えば、先生が授業をするだけでなく、部活の顧問としてマイクロバスを運転して試合会場まで生徒を乗せていくとか、そりゃあ無理でしょう。もっと配慮が必要です。
河田:日本は人の努力に頼るけど、アメリカは仕組みで対応します。人の努力に頼ってきたから、企業の値上げも許せない。例えば報道で「○○が値上げします。1900年以来の値上げです」と聞いても、「だから何?」と思うんです。そういう視聴者がコントロールできないことを報じないでほしい。
「本日都内でコロナに2万人が感染し、これまで最多の死者が出ましたと」言った舌の根も乾かぬうちに、「飲食店がコロナで大打撃を受けています」って。それ、お前が言うか?と思いますね。
帰国した時にワイドショーを見ていたら、まだ容疑者なのに、その人が100パーセントやったかのように報じている。それで裁判員裁判をやるわけですよね。昼間ずっと番組を見ていたおじいちゃんやおばあちゃんが、バイアスがかかったまま裁判員になるかもしれない。それで司法の原則を守れるのか。他に何か報じることはないのかなと思います。