宇宙

2023.04.04 17:30

NASAが約50年ぶりの月周回飛行を行う4人の宇宙飛行士を発表

アルテミス2ミッションのクルー(左から): カナダ宇宙局の宇宙飛行士ジェレミー・ハンセン、NASAの宇宙飛行士ビクター・グローバー、レイド・ワイズマン、クリスティーナ・コック(Photo by Jonathan Newton/The Washington Post via Getty Images)

米航空宇宙局(NASA)は4月3日、月面探査計画「アルテミス計画」の第2第「アルテミス2」に、3人の米国人宇宙飛行士と1人のカナダ人宇宙飛行士が参加し、約半世紀ぶりの有人月周回飛行を4人で行う予定だと発表した。NASAは、人類を再び月に送り込み、さらには火星に到達させるという野心的プランを描いている。

NASAのビル・ネルソン長官は、ヒューストンのジョンソン宇宙センターで行われた記者会見で、このミッションには米国の3人の宇宙飛行士のレイド・ワイズマン(47)、ビクター・グローバー(46)、クリスティーナ・コック(44)らと、カナダ宇宙庁(CSA)の宇宙飛行士のジェレミー・ハンセン(47)が参加すると発表した。

NASAによると、アルテミス2の打ち上げは早ければ2024年11月に実施される予定という。オリオン宇宙船を用いた月周回軌道への10日間の旅でNASAは、1972年のアポロ17号以来、初めて宇宙飛行士を月面に送り込む予定のアルテミス3ミッションに向けた科学データを収集することになる。

NASAは、アルテミス計画で女性や有色人種の宇宙飛行士を初めて月面に送り込むと宣言しており、今回のミッションには、女性飛行士として最長連続宇宙飛行記録を持つエンジニアのコックと、月探査計画で初の黒人飛行士となるグローバーらが選ばれた。

NASAはまた、昨年10月にネイティブアメリカンの女性として初めて宇宙に向かったニコール・マンを、国際宇宙ステーション(ISS)に送り込んでいた。アルテミス2の乗組員には、41人の米国人宇宙飛行士と4人のカナダ人宇宙飛行士が選ばれている。

NASAは、昨年11月にアルテミス計画の1号機となる無人のオリオン宇宙船を打ち上げ、25日間に渡り月を周回させた後、地球に帰還させていた。アルテミス計画に2025年までに900億ドル(約12兆円)以上を投じる計画とNASAはいう。

NASAが、月面に宇宙飛行士を送り込むのがいつになるかは、まだ明らかになっていない。2019年に同機関は、2024年に人類を月面に着陸させると宣言したが、初期の計画は資金面の問題で頓挫していた。NASAは現在、アルテミス3の打ち上げを2025年に予定しているが、具体的な日取りは発表されていない。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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