「やるか、やらないか」それだけだ
WBCでは、勝った瞬間は実は意外と冷静で、「ああ、勝ったんだな」くらいだったんです。でも帰ってきて、多くの人たちが「感動したよ!」と言ってくれた時、ああ、人が喜んでくれるということは、こんなにうれしいことなんだと実感しました。誰かのためにがんばれれば、みなが持っている力が、そのまま引き出されるんだと思います。今は世界一の選手といわれる大谷翔平選手にしても、大会中、僕も感じたし、本人も感じていたと思いますが、ああいう舞台、自分の力が引き出される舞台があってこそ、さらにレベルが上がっていくんだと思うんですよね。
ですから、僕自身の学生生活の経験も含め、選手たちにもずっと言っていたのは、「できるのかなあ、できないのかなあ」と思うのではなく、「やるか、やらないか」だ、ということ。
高校から入ってきた選手たちはみなさんくらいの年頃だったと思いますが、とにもかくにも、自分が「やる」と決めてやり続けられれば、最後には何か必ず大きな答えが出ると信じています。
最後に、僕が選手にずっと言い続けてきた言葉をみなさんに送って、終わりにしたいと思います。
「挑戦し続けなさい、そして、信じ続けなさい」。
何かやっていると、とかくうまくいかない。そうすると、自分に能力がないのでは、と思ったりするものですが、絶対に大丈夫です。人の力というものは、だれしも、ものすごく大きいのです。でも、その大きな力は、自分が「だめなのか」と思った瞬間になくなってしまうのです。だから、自分を信じてあげてください。
本日はご入学、本当におめでとうございました。