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2023.04.04 15:30

北米プロバスケNBAが大麻の薬物テストを中止、使用を容認

Photo by Jonathan Newton/The Washington Post via Getty Images

北米プロバスケットボールリーグNBAは、選手組合との新たな労働協定で、選手の大麻使用を容認する決定を行った。スポーツメディアのThe Athleticが4月1日に報じた。MLB(メジャーリーグベースボール)やNHL(ナショナルホッケーリーグ)も、すでに同様の決定を行っている。

NBAが先週、選手会と結んだ2023〜2024年のシーズンに関する暫定的な合意には、同リーグが今後、選手の大麻使用に関する薬物テストを中止するとの条項が含まれている。この協定はまだ暫定的なものだが、禁止薬物リストから大麻を除外することは決定済みで「選手はもう大麻に関するペナルティを受けることはなくなった」とThe Athleticは伝えている。

NBA選手会(NBPA)はこの契約の詳細をまだ発表しておらず「詳しいことはタームシートが確定した時点で公開される」と声明で述べた。

NBAは以前、大麻に関する1回目の違反で選手に治療やカウンセリングを受けさせ、2回目の違反で2万5000ドル(約330万円)の罰金を科していた。また、3回目の違反で5試合の出場停止を定めていた。

2021年に同リーグは、選手の大麻使用に関する抜き打ち検査を一時中止すると発表した。当時は、パフォーマンス向上薬や成長ホルモン剤、コカインやアヘン系の薬物、メタンフェタミンなどの「乱用薬」の検査が優先されていた。

米国の21の州とワシントンD.C.およびグアムでは、娯楽用および医療用の大麻が完全に合法化されており、ESPNによると、NBAチームがある70%以上の州で大麻のハイになる成分のTHCが合法とされている。

NBAの元選手らも大麻の合法化を支持しており、J.R.スミスやアル・ハリントンらは2019年にニューヨークで議員に合法化に向けての働きかけを行った。ハリントンは、2021年のGQの取材に「85%の選手が何らかのかたちで大麻を使用している」と述べていた。

一方、MLBは2019年のオフシーズンに禁止物質リストから大麻を除外し、選手が休暇中に大麻を使用することを容認した。しかし、試合中や練習中、ミーティング中、ワークアウト中などに大麻の影響下にあるとみなされた場合は、処罰される可能性がある。

また、国際オリンピック委員会は、世界アンチ・ドーピング機構の薬物使用ポリシーに従い競技シーズン中の大麻使用を禁止しているが、オフシーズンの使用を禁止してない。米国の陸上女子100メートルで金メダルの有力候補と期待されたシャカリ・リチャードソン選手は、2021年に東京五輪の米国代表選考会の薬物検査で大麻の陽性反応が出たため、出場を禁じられた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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