格闘技UFCとプロレスWWE合併へ 世界2位のスポーツエンタメ企業に

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総合格闘技団体UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)の親会社である米エンデバーと、米プロレス団体のWWE(ワールド・レスリング・エンターテインメント)は3日、UFCとWWEの合併で合意したと発表した。新会社の企業価値は214億ドル(約2兆8400億円)とされ、フォーブスのランキングで世界で2番目に価値の高いスポーツエンターテインメント企業が誕生する見込みだ。

新会社はニューヨーク証券取引所に上場し、証券コードは「TKO」になる。エンデバーの既存株主が株式の51%を握り、残り49%をWWEの既存株主が保有する。エンデバーのアリエル・エマニュエル最高経営責任者(CEO)がトップに就く予定だ。

取引のバリュエーションは次のようになっている。

・企業価値:UFC(121億ドル)、WWE(93億ドル)
・純負債:UFC(27億ドル)、WWE(3億ドル)
・株主価値:UFC(94億ドル)、WWE(90億ドル)
・完全希薄化後の発行済み株式数:UFC(4億6610万株)、WWE(8510万株)
・1株あたりの価値:UFC(20.15ドル)、WWE(105.98ドル)

UFC・WWEコンビは、フォーブスがまとめているスポーツエンターテインメント企業の価値ランキング「世界で最も価値のあるスポーツ帝国」番付で、大リーグ(MLB)のアトランタ・ブレーブス(MLB)、フォーミュラ1などを傘下にもつ米リバティ・メディアに次ぐ2位に躍り出る見通しだ。リバティの企業価値は2023年1月の最新ランキング作成時には208億ドルだったが、その後ブレーブスの価値向上により220億ドルあまりに増えている。

このランキングで2位だったのは、プロフットボールNFLのロサンゼルス・ラムズ、プロアイスホッケーNHLのコロラド・アバランチ、プロバスケットボールNBAのデンバー・ナゲッツのほか、英プレミアリーグのアーセナルなどを保有する米クロエンケ・スポーツ&エンターテインメント。企業価値は127億5000万ドルで、UFC・WWE組はこれを大きく上回ることになりそうだ。

もっとも、214億ドルというのはあくまで提示されている金額にすぎず、新会社の価値は市場が決めることになるのはいうまでもない。

合併の行方については懐疑的な見方も少なくない。ある投資家は、業界の大物であるWWEのビンス・マクマホン会長と、UFC代表のダナ・ホワイトの仲を取り持つことができるのはエマニュエルくらいしかいないとし「ハネムーンは長く続かないような気がする」と語っている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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