アート

2023.04.10

アートフェア「RE:FACTORY」の仕掛け人が語る、ビジョンと感触

加藤信介・大山エンリコイサム

──アートの価値を維持したまま、新しいオーディエンスにリーチを広げることは容易ではないかもしれませんが、大山さんに寄せられた感想などを聞くと、それを見事に成功に導いたのではないかと感じています。今後の展望をお聞かせください。

加藤:「MEET YOUR ART」は継続的に行っていくことで意味のあるものだと考えているので、しっかりと持続可能なビジネスとして成り立たせながら、アートプロジェクトの可能性を追求していきたい。僕ら事業者とユーザーとアーティストがWIN-WIN-WINになるようなアートプロジェクトの形はどんな形であるのか、アートフェア一つとっても、初見の人でも親しみやすいアートフェアでありながらアーティストにとっても有意義で、そして事業としても成り立つ、そのバランスを追求していきたいですね。

レディ・ガガのシューメイカーとなったことでも知られるアーティスト、舘鼻則孝も出展。

レディ・ガガのシューメイカーとなったことでも知られるアーティスト、舘鼻則孝も出展。


大山:「RE:FACTORY」でのライブは一夜限りのスペシャルな企画でしたが、こうしたアートと音楽のコラボレーションライブがパッケージ化され、エンターテインメントの新しいかたちとして浸透し、アーティストのキャリアステップとして位置付けられるようになると面白いなと感じました。その仕組みを最初に定着させたのがエイベックスという認識が広まると、それは事業としてブランド性を生み出せていることになると思います。

加藤:おっしゃるとおり、アートと音楽のコラボレーションライブは大きな可能性を秘めていると思いますし、アートフェアやフェスティバルとライブを必ずしも同時開催する必要はないですから、今後はライブイベントとして価値を高めていくという取り組みも面白いと思います。その手応えを確かめられたという点でも、やはりリアルイベントの開催から得られるものはありますし、先程申し上げたように、さまざまなことを行って可能性を追求していきたいと思っています。

アートと隣接する要素が融合し新しいカルチャーを生み出す場所を作る、という根本の思想は変わらず、切り口を変えてさまざまなことを行っていきたいですね。次のリアルイベントということでいえば、おそらく今年の秋に「MEET YOUR ART FESTIVAL」の2023年バージョンというものをやりたいと思っています。「MEET YOUR ART FESTIVAL 2022」そして『MEET YOUR ART FAIR 2023 「RE:FACTORY」』を経て、次に僕らがどういうアプローチでフェスティバルを開催するのか、ぜひ楽しみにしていてください。

Text by Tsuzumi Aoyama / photographs by Seiichi Saito

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