ロービジョンの方々が楽しめるカメラ
ソニーの「DSC-HX99 RNV Kit」は、ロービジョンの方々もさまざまなシーンの撮影が楽しめるように設計開発されたデジタルイメージング商品だ。QDレーザによる網膜投影技術を搭載するアクセサリービューファインダーを、ソニーの高倍率ズーム対応コンパクトデジタルカメラ「DSC-HX99」に最適化した。価格が10万9800円(税込)と高価な上、ビューファインダーの「見え方」には個人差があることから、発売日の3月24日以降にソニーストアの店舗で体験した方のみが購入できる商品とした。一般に購入可能な商品だが生産は数量を限定する。またソニーは「できる限り多くロービジョンの方々の手に届くように」という意図から、購入は1人1台までというルールを設けている。
ロービジョンとは、メガネやコンタクトレンズを装着しても「見えにくい」「まぶしい」「見える範囲が限られ歩きにくい」など日常生活に不自由をきたす視力の状態を指している。ロービジョンの悩みを抱える方々の人口は全世界で約2億5000万人、日本国内では約145万人とされている。
2006年に富士通研究所からスピンオフベンチャーとして創立したQDレーザは、2008年に量子ドット(QD:Quantam Dot)レーザを世界で初めて量産化した。同技術を活用する半導体レーザ製品から培った光学技術を基に、2015年にはレーザ網膜投影技術の事業を立ち上げた。
レーザデバイスのほか、同社が2本目の柱に据えるレーザーアイウェアの事業についてはロービジョン者の視覚補助、あるいはAR・VRエンターテインメントデバイスとしても楽しめるアイウェア「RETISSA Display II」を商品化している。本機は現在も販売中だ。