選手と対話を続け、信じて任せる━━栗山監督の指導法は、旧来のように指導者が独断で意思決定を行い、トップダウンで選手達を率いる指導者中心型(※1)ではなく、選手から引き出した意見を踏まえて意思決定を行い、チームをまとめ上げていく双方向型(※2)だと言える。
そんな双方向型の指導を受けたスポーツ経験者の方が、指導者中心型の指導を受けた経験者より、「スポーツの経験を通じて身につけた力が仕事に役立っている」と感じる割合が高いという調査結果が発表された。
※1 指導者中心型:意思決定を指導者が独断で行い、選手へ指導をする方法・環境
※2 双方向型:選手たちから出てきた意見を踏まえた意思決定を行い、選手を指導する方法・環境
アプリケーション開発でスポーツ×教育の支援を行うSPLYZAと、体育会学生・アスリート向けキャリア支援サービス「マイナビアスリートキャリア」は2022年末、スポーツ経験のある10~60代以上の現役社会人1000名を対象に、「スポーツ経験と社会での活躍の相関性」に関する調査を実施。
「スポーツの経験で身につけた力が、今の仕事に役立っていると感じるか」を聞くと、全体では「役立っていない」が半数超を占めたものの、受けてきたスポーツの指導環境別に見ると、「役立っている」が「双方向型」の指導を受けてきた回答者では6割に達し、「指導者中心型」(46.6%)と「選手中心型(※3)」(27.9%)を大きく上回った。
※3 選手中心型:指導者から選手へ細かい指導を行うことはほとんどなく、自分たちで全て意思決定をする方法・ 環境
年代別に見ると、「双方向型」の指導を受けてきた割合については30代が39.6%と高く、40代以上(28.7%)を上回る結果に。「スポーツの経験が仕事に役立っている」と考えている人の割合も、30代以下が半数を超え(52.2%)、40代以上(38.6%)を10ポイント以上上回った。
さらに「スポーツの経験を通じてどのような力が培われていると思うか」を尋ねると、「双方向型」の指導を受けた回答者が「実行力」(45.7%)、「計画力」(29.8%)、「柔軟性」(23.9%)で「指導者中心型」と「選手中心型」を上回ったほか、「特に伸びたと感じる能力はない」の割合(13%)が最も低かった(複数回答可)。
変化が激しい時代。個人が自立し、目標達成に向けて進化を続ける組織の必要性が叫ばれている。指導者と対話をしながら、計画力と実行力を持ち、柔軟に成果を追求する双方向型の指導を受けたスポーツ経験者は、これからのビジネスにポジティブな働きをもたらす存在になるだろう。
プレスリリース