最近では、寝具や医薬品以外にも、飲料やガジェットなど「睡眠の質の向上」をうたう商品が増えてきた。コロナ禍での健康意識の高まりもあって、現在1.3兆ほどある睡眠市場は、5年後には3~5兆円規模にまで拡大するという。
![](https://images.forbesjapan.com/media/article/62113/images/editor/cddbcf52fc873223986f6334cfa15b4a2153a797.png?w=1200)
NTT東日本はこの睡眠市場に目をつけ、NTT DXパートナーとともにスリープテック事業を展開している。
3月18日には、その一貫としてイベント「ZZZN(ズズズン)-LISTEN AND SLEEP-」を開催した。 “寝落ちするための演奏会”というサブタイトルのとおり、生演奏を聞きながら眠りにつくことができる宿泊型イベントだ。
「情報・通信業のNTTがなぜ睡眠?」「音楽が睡眠にどうかかわるの?」と、謎多きイベントを体験してきたので、レポートしていきたい。
![](https://images.forbesjapan.com/media/article/62113/images/editor/9080a99bec8a878fcde8d01f240db7b093c960b2.jpeg?w=1200)
まずは「おひるねライブ」から
舞台となったのは箱根の老舗旅館「吉池旅館」。今回のメインである“寝落ちするための演奏会”は、昼と夜の計2回行われた。昼の部は、15時から約200畳の大広間で開催。集まってきた参加者たちは、思い思いの場所で寝転びながら、約120分間の生演奏を楽しんでいた。照明は、近くでないと顔が見えない明るさに落とされており、隣も気にならない。
最初は椅子に座って歌っていたアーティストも、途中からは同じように畳に座り、同じ目線でリラックスした歌声を届けてくれた。目の前でライブが行われているにもかかわらず、ささやき声で歌われるメロウな音楽に、30分もすると不思議と眠気が襲ってきた。
![](https://images.forbesjapan.com/media/article/62113/images/editor/c84f09bca3f47870eb49584dc0e66e6d98ce2b41.jpg?w=1200)
夜の部は、22時にスタート。大広間の生演奏が中庭のスピーカーから流れる仕組みで、それぞれの部屋から演奏を楽しむことができた。
![](https://images.forbesjapan.com/media/article/62113/images/editor/88f5da738564ed93b41c3416d6a005d0dc633cd8.jpeg?w=1200)
ユニークなのが、参加者が“寝落ち”したかどうかを「見る」ことができる点。中庭や客室などに設置された照明が、濃い赤から薄い赤に移り変わっていくのだ。これは、睡眠データを測定できる「ブレインスリープコイン」(ブレインスリープ社)と、中庭などにある照明を連動させることで実現した。
![](https://images.forbesjapan.com/media/article/62113/images/editor/4626f4829ae1403442ab0f1685bf8a67de345012.jpeg?w=1200)
実際に、音楽と一緒に自分の行動やバイタルと連動した幻想的な光を感じながら、睡眠までの時間を過ごした。「おやすみなさい」と囁くようなMCを挟みつつの演奏会は新鮮で、時間が経つにつれてボリュームも落ち、眠りが誘われるのをたしかに感じた。
自分が寝落ちしてしまった後の照明の様子は、残念ながらレポートできない……。
![](https://images.forbesjapan.com/media/article/62113/images/editor/75e66e0bc548203b189e566b37e14f14977a5c0a.jpeg?w=1200)